『ゴシップ・ガール』がゴシップの対象に!?【Netflixの説明文は本当にblunt?】

こんにちは。

最新の若者英語を学べるということで英語学習者にも人気の『ゴシップ・ガール』。そしてこれまた学習ツールとしても人気の動画配信サービスNetflix。英語の勉強をしている方でしたら、耳にしたことがあると思います。

そんなNetflixで配信されている『ゴシップ・ガール』について論争が巻き起こったようなので、調べてみたいと思います。

トロント島からの夜景

ドラマ『Gossip girl/ゴシップ・ガール』とは

ドラマ『ゴシップ・ガール』は、2007年から2012年まで6シーズンに渡ってアメリカで製作された、10代に人気のドラマです。同名の原作小説があるようです。

マンハッタンのアッパー・イースト・サイドにある超高級住宅街。そこに住むお金持ちの高校生たちの生活が、Gossip girlを名乗る匿名のブロガーによって語られます。誰もが憧れる女の子セリーナが、謎の失踪後、突然街に帰ってきたことで、大きな波紋が巻き起こります。友人でライバルのブレアとの再会、作家志望のダンとの出会いが起こすドラマがティーンの心を掴みました

ニューヨーカー、しかも若者の英語ですから、結構早口です。英語学習目的で鑑賞するのであれば、中級以上の方におススメです。

最近の若い子たちの言葉を知るにはピッタリですが、ティーン向けのストーリーなので、大人には物足りないかもしれません。

30代ならやはり、『セックス・アンド・ザ・シティ』の方が面白く見られると思います。

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Netflixとは

言わずと知れた人気の動画配信サービスですよね。ラインナップの豊富さと、日・英の字幕切り替え等の便利さにより、利用している英語学習者も多いと思います。

1997年に始まったこのサービスは、2018年10月現在、世界で1億3千7百万人の登録者がいます。そのうち半分近くはアメリカのユーザーです。中国、シリア、北朝鮮、クリミアを除く世界中で見られるようです。アメリカ以外に、オランダ、ブラジル、インド、日本、韓国にオフィスがあるそう。

もっと世界中にオフィスがあるイメージだったんですけど、案外少ないんですね。

論争のきっかけ

論争に関する記事はこちらです。

コメディアンのLane Mooreが、Netflixの『ゴシップ・ガール』の”cheeky(生意気)”なあらすじのキャプチャをツイッターに投稿しました。

Rich, unreasonably attractive private school students do horrible, scandalous things to each other. Repeatedly,

すると、多くの人がこの事務的な説明文を面白がりました。中には、「全く間違っていない」と言う人たちも。このあらすじを書いた人が『ゴシップ・ガール』を嫌っているのか、はたまた好きなのか、ツイッター上では意見が分かれました。この騒ぎに、当のNetflixはツイッターの公式アカウントで、「1.皆ゴシップ・ガールが大好き 2.それにどこに嘘があるって言うの?」と反応しました。

自分の劇団で、制作という宣伝に関わる仕事もしていたわたしにとっては、ドラマのあらすじに関する話題はとっても気になります!もう少し詳しく見てみたいと思います。

論争の焦点

話題となっているあらすじがこちらです。

Rich, unreasonably attractive private school students do horrible, scandalous things to each other. Repeatedly.

直訳すると、「お金持ちで、とてつもなく魅力的な私立学校の生徒たちが、恐ろしく、スキャンダラスなことをし合う。繰り返し。」ですね。

わたしが見たのはシーズン1だけですが、確かに嘘は言っていません。ただ、とても無味乾燥な説明なんですよね。話の筋は捉えているけど、魅力は何も伝えようとしていない。これは確かに「『ゴシップ・ガール』を嫌いな人が書いたに違いない」と言われても仕方ないと思います。

ちなみに、Amazonプライム・ビデオの日本語版あらすじはこちら。

超高級住宅が立ち並ぶマンハッタンの一角、アッパー・イースト・サイド。ゴシップが全てを支配し、刺激に飢えたリッチな名門ハイスクールの学生が、その持てる金やコネを使ってニューヨーク中の誘惑を貪り尽くそうとしている街に、セリーナが帰ってきた!

こちらは煽っていますね。リズムもいいので、このまま再生ボタンを押してしまいそうな勢いです。あらすじで作品のイメージが随分変わりますよね。

「Netflixのあらすじは、ちょっと変えるだけでほかのティーン向けドラマにも使える」と指摘している人もいました。例えば『ARROW/アロー』。

Rich, unreasonably attractive crime fighting vigilantes do horrible, scandalous things to each other. Repeatedly. 

確かにストーリーをきちんと説明できています。

『ゴシップ・ガール』の他にも、これはどうなんだと思われるあらすじのキャプチャをアップする人も現れました。

『ジュラシック・パーク The lost world』のあらすじなんかひどいです。

You'd think tangling with all those Velociraptors would stop them from messing with dinosaurs. It didn't,

「ヴェロキラプトルとの争いは、窮地を脱すると思うかもしれないけどね、無理だったの」といった感じですね。まるで子どもの感想文です。「そんなにぐちゃぐちゃになってるなら、むしろ観たい」という方は現れるかもしれません。

確かに宣伝文やあらすじを書くという作業はとても大変で、頭を使います。文字数が限られているのであれば尚更です。Netflixは数千というコンテンツを抱える動画配信サービスですし、コンテンツ獲得の為に巨額の負債を抱えているとも言われる企業ですから、一つ一つに魅力的なあらすじを付けるということに割く予算がないのかもしれません。

しかも近年オリジナル映画やドラマの製作にも力を入れており、2018年だけでも700本ほど制作されています。自社コンテンツの視聴者獲得の為、外部のコンテンツには注力していない可能性も考えられます。

不名誉な話題ではありますが、逆に、もしこのおもしろ説明文探しがNetflixユーザーを増やすきっかけになっていたら、宣伝としてはある意味成功ですね。

騒動の後に変更されたあらすじ

この騒動を受け、Netflixは『ゴシップ・ガール』のあらすじを以下に変更したようです。

A group of hyperprivileged Manhattan private-school kids seem to get away with everything. Except an anonymous blogger is watching their every move.

日本版のNetflixはこちら。

ニューヨークの超セレブな高校生グループの生活を描いたドラマ。何をしても許されるスーパーリッチな若者たちの奔放ぶりが、匿名ブロガーの声を通して語られる。

物語のキーである匿名ブロガーの存在に触れることで、『ゴシップ・ガール』の見どころを伝えようという意志が感じられるようになりました。

それでもまだ、Amazonプライム・ビデオに比べて冷静な文章ですが、そこがNetflixの味なのかもしれません。

 

以上、Netflixの『ゴシップ・ガール』にまつわる騒動のお話でした。これから動画配信サービスを利用する際は、あらすじにも注目してみたいと思います♪

 

Today's proverb

A friend to everybody is a friend to nobody.:全員と友達ということはその誰とも友達ではない