英語やプログラミングを学ぶなら日本語の読解力も鍛えよう【結局どれも言語!】

こんにちは。

2020年から小学校で英語とプログラミングが必修になることもあって、世の中の英語熱・プログラミング熱がますます高まっていますよね。さらには、国際化・IT化により、大人の学習者も年々増えているようです。

この流れの中で、英語やプログラミングを専門にする人だけでなく、英語とプログラミングを使いながら働くといった働き方が増えてくるのではないかと、日々感じています。

そんな波に乗ったつもりではなかったのですが、わたしも34歳で英語を、37歳でプログラミングを学び始めました。若い頃のようにぐんぐん覚えることはできませんが、いくつになっても新しいことは始められるんだなぁと実感しています。

英語、Pythonの2言語を学んでいる今、実感しているのは日本語の大切さです!外国語も、プログラミング言語も、結局は日本語と同じ”言葉”なんです。日本語の読解力が、他の言語を学ぶ上で強力なサポートになってくれています。

そこで今日は、他言語学習を通して感じた日本語読解力の大切さについてまとめてみたいと思います。

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プログラミングはプログラマーだけの仕事ではない

前述の通り、最近プログラミング(Python)の勉強を始めました。昔劇団のホームページを作っていた関係でHTMLはかじっていましたし、ExcelのマクロでVBAを触ったことはありましたが、プログラミングを学ぶのは初めてです。

プログラミングというと、プログラマーのお仕事と思っていたのですが、今の時代、案外身近なものなんですよね。自動車関連の職場で働いでいるのですが、日々の業務のために簡単なプログラミングをする方がたくさんいます。

私の場合も、業務に使用しているソフトがPythonによって拡張できるようになっており、業務の効率化や成果物のレベルアップを図るためにはPythonができたら便利だということになり、習得することになりました。自分でも勉強しましたが、基礎の部分は仕事中に教えてもらえましたし、応用は業務内で実践しながら学べているため、とてもありがたい環境だと思っています。

アプリケーションの開発をしているわけではないので、基礎的なことしかしていないのですが、煩わしい繰り返し作業や、見落としの発生しやすい業務が自動化できることが快感で、楽しくプログラミングさせてもらっています。

わたしの職場でもプログラミングの勉強を始める方が増えていますし、今後ますます身近なものになってくると思います。

Pythonとは?

先ほどから登場しているPython。あまり耳馴染みのない方も多いと思います。たくさんの種類がある中で、近年最も注目を集めているプログラミング言語がPythonなんです。その理由として、

  • 構文(文法)がシンプルなので、初心者でも学びやすい
  • 少ないコードで記述できる
  • ライブラリやパッケージが豊富で使いやすい
  • データ解析、機械学習等に強い

といったことが挙げられます。他の言語を学んだことがないので比較はできないのですが、確かに初心者でも分かりやすく、ストレスなく学べています。(もちろん、プログラミングに対する性格の向き不向きはあると思います。)

日本ではまだメジャーではないとも言われますが、GoogleやYoutube、Instagram、Facebook、Evernote、Dropboxなどで採用されていることから、その人気ぶりが伺えますね。「今からプログラミングを勉強するならPythonにしておけ」とお勧めされたことがありますし、「海外で働きたいならPython!」といった声も聞かれます。

ちなみにPythonには、その名の通りニシキヘビのイラストが使用されていることも多いのですが、元は作者が”モンティ・パイソン”の大ファンだったことにより付けられた名前なんだそうです。

自然言語と形式言語 

日本語、英語、Python。どれも同じ”言語”といえど、それぞれ特徴があります。

私たちが日ごろ会話に使用している言語が、自然言語です。日本語も英語もこれにあたります。基本的な規則は決まっているものの、曖昧な部分が残されており、文脈や話者によって変化します。また、多少間違えても通じる自由さがあります。

対して形式言語は、文法(構文)や意味が決まっている言語で、プログラミング言語はこれに当たります。この文法や意味を少しでも間違えると通じないため、プログラムは動きません。正確さと完全さを求められます。

プログラミング言語は、コンピュータ言語とも呼ばれていますが、厳密には定義が異なります。コンピュータ言語はコンピュータに用いられる言語の総称で、より広範囲の言語を意味します。プログラミング言語はその中の一つのカテゴリーになります。

このように、性質の異なる二つの言語ですが、構文規則と意味規則によって成り立っているという点は共通していますね。

自然言語とプログラミング言語の繋がり

いよいよ本題に入ります。自然言語とプログラミング言語は全く違うものに見えると思いますが、共通点も多いんです!

日本語とプログラミング言語

まずは日本語とプログラミング言語の繋がりについて、日ごろ感じていることをお話したいと思います。

一見意味の分からない言葉の羅列のように見えるプログラミングですが、文法のルールが自然言語と異なるだけで、やっていることは作文です。要は、厳密に決められた単語と文法に従って、作業指示書を書いているんですよね。

いきなり専門用語を使っても相手には伝わらないから、まずは言葉の定義を説明しておいて、その後はその言葉を使用して指示していく。人間以上に手順を踏んで説明しないと正確に動いてくれない(時には止まる)のがプログラミングです。空気を読んだり、言葉の裏側を察したり、分からない時に質問してはくれません。

そのため、理系の分野であるプログラミングですが、その作業過程には文系的要素が多分に含まれていると感じています。プログラミング用の単語と文法を使用して、簡潔で論理的な文章を書く作業ですから、プログラミング的思考には、文章を組み立てる能力と、客観的に文章の分かりやすさを判断する能力が、大いに役に立ちます。

「プログラミングって難しそう…。」と思っている方は、ぜひ”ふりがなプログラミング”シリーズを読んでみてください。アルファベットの羅列に見えていたプログラムが、文章に見えてくると思います。プログラミングというものに抵抗のある方には、非常にとっつきやすい本だと思います。私のように、プログラマーになりたい訳ではないけれど、簡単なプログラムは書けるようになってみたいという方にはおススメです。

スラスラ読める Pythonふりがなプログラミング (ふりがなプログラミングシリーズ)

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もっともっと簡単にプログラミングを説明して欲しい!という方は、NHKで放送されている、”Why!?プログラミング”を見てみると、プログラミングと自然言語の繋がりが感じられると思います。

www.nhk.or.jp

プログラミング需要の高まりからか、超初心者向けの書籍がたくさん出版されています。まずは一冊基礎的な本を読めば、ぐっと身近に感じられると思います。

英語とプログラミング言語

上記のように、プログラミングする上で、自然言語の読解力は非常に役立つのですが、英語能力は日本語以上に役に立ちます。なぜなら、プログラムに使用されている単語は基本的に英語だからです。

つまり、上で紹介した”ふりがなプログラミング”シリーズのように、プログラムに自然言語のふりがなをふった場合、その半分は英語そのままなのでふりがなが不要ということです。これ、案外大きなアドバンテージなんじゃないかと思います。パッと見ただけで、直感的に分かる情報量が多いんですから。

さらに、ネット上に溢れているプログラミングに関する情報ですが、日本語に比べて、英語で得られる情報がはるかに多いです。特にPythonは、世界に比べて日本ではまだマイナーなので、日本語の情報量が少ないそうです。(私はまだ浅くしか学べていないので、あまり困ったことがありませんが…。)

また、私の場合、英語のお蔭でプログラミングを勉強するチャンスを得られました。というのも、Pythonプログラムを使用したいソフトのヘルプに英語版しかなく、サポートも日本語に対応していない為、「英語ができて、パソコンが好き!?それならプログラミングやってみない?」というお話をいただけたのです。今まで、キャリアアップに活かせていなかった英語ですが、思わぬところで活きてきました。

「英語もプログラミングも両方勉強したいけど時間がない!」という方は、以下の本がおススメです。Pythonをベースに、プログラミングの基本とプログラマーになるために必要な情報が書かれた人気の洋書です。まだ読みかけですが、英語自体はそんなに難しくありません。「プログラミングって何?」という状態から読むには辛いかもしれませんが、中級程度の英語力があって、多少プログラミングをかじったことのある方であれば、十分読み進めることができると思います。 

The Self-Taught Programmer: The Definitive Guide to Programming Professionally (English Edition)

The Self-Taught Programmer: The Definitive Guide to Programming Professionally (English Edition)

 

英語に全く自身の無い方には、日本語版もあります。 

独学プログラマー Python言語の基本から仕事のやり方まで

独学プログラマー Python言語の基本から仕事のやり方まで

 

「専門分野の本を英語で読むって難しそう…」と思われるかもしれませんが、基礎知識があった上で読むのであれば、むしろ小説より読みやすいと思います。

英語と日本語の繋がり

最後に、英語を学ぶ上で感じている”日本語の大切さ”についてお話したいと思います。

冒頭で述べたように、日本語と英語は同じ自然言語。でもなかなか簡単には習得できないですよね。特に日本語と英語は言語の距離が遠い(言語の違いが大きい)ため、日本人が英語を習得するには時間がかかります。

同じゲルマン語派に含まれるドイツ語、オランダ語などは、単語や文法が英語に似ているため、相互に習得しやすいようです。

文法も全然違うし、単語も違う。音も全く違うし、そもそも使用されている文字も違う。それでも、結局は同じ自然言語です。学ぶ上でのコツは共通しているように感じます。特にリーディング!

昔から国語(特に現国)が得意だった私は、英語の中でもリーディングが得意でした。といっても、日本人のほどんどが英語4技能(スピーキング・ライティング・リスニング・リーディング)の中で一番得意とするのがリーディングです。しかし私の場合、日本人の平均スコアに比べて、明らかにリーディングの成績が良いのです。平均的にリスニングの方が50点くらい高いとされるTOEIC L&Rで、両者のスコアはほとんど変わりませんし、英検準1級もリーディングの成績が突出していました。これまでの人生、英語の試験はリーディング力に相当助けられてきたと言えます。

なぜそうなったのかを考えてみると、以下の2つが挙げられます。

  1. 文章を読むのが好き
  2. 文章を読むのが早い

これらは日本語も英語も変わりません。

私は、昔から本を読むのが大好きで、休み時間もひたすら本を読み続ける子どもでした。(それはそれでどうかと思う部分はありますが…。)時には授業が始まったことに気づかないこともあったほど。

また、文章を読んで新しい知識を得ることが好きなので、文章を読み続けることに苦痛を感じません。そのため、英語の勉強(特にリーディング)は楽しいですし、試験中も新しい文章に出会うのが楽しみです。

その結果、文章のどこにポイントがあるのかを読み取るのが得意になったと感じています。このポイントは日本語でも英語でも同じなんです。

特に試験の場合、精読力と速読力が求められます。最初にざっとスキミング(斜め読み)して、大事なところを精読するのがコツです。このスキミングのやり方は、英語も日本語もほとんど変わりません。なぜならスキミングの時には、”概要を掴むのに必要な単語のみを目と脳が拾っている”から。もちろん日本語と英語では文法や文章の形が違うので、出てくる順番は異なりますが、大意を掴むのに必要な単語は同じです。

つまり、日本語の読解力に比例して英語の読解力も高まるということ。さらに、第二言語のレベルが母語を越えることはないとも言われています。

  • 英語のリーディングに伸び悩んでいる
  • TOEIC L&Rのリーディングパートで時間が全然足りない

という方は、ぜひ日本語の文章も読むようにしてみてください。

できればインターネットの情報サイトのように大事なところが既に強調されている文章ではなく、新聞やニュースサイトのように、自分で情報を拾わなくてはならないものがベストです。

まとめ

今回のポイントは以下の通りです。

Point

英語もプログラミングも必須の時代が近い将来やってきますが、まだ今は、どちらも十分武器になり得ます。日本語読解力を鍛えることが他の言語(英語やプログラミング)習得の追い風となるので、日本語も大事にしましょう。

また、「我が子には、将来、英語もプログラミングも得意になってほしい」と思っているお父さん・お母さん方は、ぜひ、本を読む機会をたくさんあげて欲しいと思います。その時間は、絶対に無駄にならないはずですから。

 

Today's proverb

Slow and steady wins the race wins the race.:急がば回れ