【洋書多読】英語で『くまのプーさん』を読んでみよう【初めての洋書におすすめ!】

こんにちは。

世界中から愛されるキャラクター、”くまのプーさん”は、みなさんご存知ですよね。クリストファー・ロビンとプーさんのその後が、『プーと大人になった僕』という邦題で実写映画化もされ話題になりました。オーストラリアに旅行に行った時の機内で見たのですが、大人には切ない、でも子どもの頃の気持ちを思い出させてくれる、とてもいい映画でした。

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ディズニーキャラクターとしてもお馴染みで、プーさんグッズもたくさんありますが、原作は読んだことがないという方も意外と多いのでは?かくいう私も、プーさんのぬいぐるみは持っているものの、本は読んだことがありませんでした。英語の勉強を始めてたまたま手に取ったのが、くまのプーさんの原書『Winnie-the-Pooh』だったのですが、その世界観にすっかりハマってしまい、プーさんが出てくる作品は全て読破しました!英語学習ビギナーが、学習者向け教材を卒業して最初に取り組む本格的な洋書としておすすめです。

今日は洋書多読の入り口としても最適な本、『Winnie-the-Pooh』をご紹介します。

Winnie-the-Poohの本とDVD

『Winnie-the-Pooh』とは

『Winnie-the-Pooh』とは、ディズニーキャラクターでもお馴染みのくまのプーさんの物語です。100エーカーの森に住むくまのぬいぐるみで、はちみつをこよなく愛し、森の仲間たちと楽しく暮らしています。作者であるA.A.ミルンが、息子であるクリストファー・ロビンとお気に入りのテディ・ベアに着想を得て書いたというのが素敵ですよね。物語の導入部に出てくるクリストファー・ロビンの愛らしい様子には、作者の愛を感じます。ベッドの中で親が子どもに聞かせる空想のお話、それをそのまま聞いているような温かい気持ちになります

くまのプーさんの小説は、『Winnie-the-Pooh』と『The House at Pooh Corner』の2冊があります。さらに、『When We Were Very Young』と『Now we are six』の2冊の詩集にも登場します。『The House at Pooh Corner』の最後、クリストファー・ロビンの成長と別れにはホロリとさせられます。

世界中で愛されている児童文学なだけあって、ユーモラスなキャラクターたちは皆不器用だけど優しく、温かいお話にとても癒されます。現実社会のストレスを忘れて、ファンタジーの世界にすっと飛び込むことができます。かわいらしい挿絵もとっても味があります。

学習者には難しい単語もありますが、繰り返し何度も出てくるので、無理なく自然に覚えられます。これらの表現を使えるようになれば、確実に日常会話が豊かになると思います。また、なかなか触れる機会のない英語の詩集を読むきっかけにもなりました。

英語のレベル

『Winnie-the-Pooh』は、ネイティブの小学校低学年向けの児童書で、TOEIC470点、英検準2級以上として販売されています。しかし、実際はもう少し難しいと思います。教科書英語しか知らなかったわたしは、小説らしい表現や単語に苦戦しました。

例えば、歩くことに関する表現。日本語の場合は擬態語を使うので、すたすた歩く、とぼとぼ歩く、よろよろ歩く等々、擬態語+歩くで表現できますよね。ですので、どんな歩みであれ”歩いている”ということは分かるのですが、英語の場合は単語そのものが変わります。walkを使わない”歩く”を表現する言葉がたくさんあるのです。同様に、言う・話すといった単語も、ニュアンスによって色んな単語があります。形容詞や副詞で知らないものがあっても、何となく意味を推測したり、読み飛ばすこともできますが、動詞が分からないと何が起きているのか分からない!初めての洋書リーディングだったこともあり、知らない動詞にたくさんぶつかりました

その反省を踏まえて、以下の記事に、"笑う"、"歩く"、"話す"を表すさまざまな表現をまとめました。目を通していただくと、英語の小説を読むのがぐっと楽になると思います。  

www.inspire-english.net

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また、『Winnie-the-Pooh』の会話の中では、主語が抜けていたり、文法を崩したような表現も多々出てきます。1926年に発売された児童小説ですので、現代と異なる言葉遣いも出てきます。英語学習者向け教材は、学習用として基本的に”正しい”英語が使われていますが、『Winnie-the-Pooh』は児童書とはいえネイティブ向けなので、口語や文学的な表現が使われています。詩集の方は、初めて出会う英語の詩的な表現に、さらに苦戦しました。

そして何より、プーさんを始めとしたキャラクターたちが突拍子もないことを言い出すので、分からないところを辞書に頼らず想像で補っていると、全く話の筋が分からなくなってしまうことも。その突拍子のなさがこの作品の魅力でもあるんですけどね。

さらには、森の植物や動物の名前など、身近だけどテキストで勉強しているだけでは出会えない単語もわんさか出てきます。

ただし、小難しい単語が出てくるわけではありませんし、ストーリーも複雑ではありません。英語の絵本からステップアップしたい英語初級者の方か、洋書に初めて挑戦する中級者におすすめします

Winnie-the-Poohの楽しみ方

小説を読んでみる

まずは、原書を読んでみてください。自分のペースで読み進められるので、英語ビギナーや洋書初挑戦の方でも、くまのプーさんの世界をじっくり味わえます

『Winnie-the-Pooh』は色んな出版社から出ているので、好みの装丁、挿絵、サイズ等で選んでみてください。わたしが実際に購入した本を以下にご紹介します。 

小説『Winnie-the-Pooh』。記念すべきくまのプーさん第一作

Winnie-the-Pooh (Puffin Modern Classics)

Winnie-the-Pooh (Puffin Modern Classics)

続編にして完結編の『The House at Pooh Corner』。ラストは涙を誘います。

The House at Pooh Corner (Winnie-the-Pooh)

The House at Pooh Corner (Winnie-the-Pooh)

 詩集『When We Were Young』と『Now We Are Six』。時々プーさんも登場します

When We Were Very Young (Winnie-the-Pooh)

When We Were Very Young (Winnie-the-Pooh)

Now We Are Six (Winnie-the-Pooh)

Now We Are Six (Winnie-the-Pooh)

いきなり英語だけで読むのは不安という方には、日本語の対訳を一緒に確認できる本もあります。

英語で読むクマのプーさん (IBC対訳ライブラリー)

英語で読むクマのプーさん (IBC対訳ライブラリー)

  • 作者: イクラス・アブドゥルハディ,A.A.ミルン,A.A. Milne,Ikhlas Abdul Hadi,牛原眞弓
  • 出版社/メーカー: IBCパブリッシング
  • 発売日: 2018/01/28
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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その他にもプーさんを題材にした英語教材はたくさんあるので、書店などでお好みのものを探してみてください。

オーディオドラマを聞いてみる

プーさんの世界にハマった方は、オーディオドラマもぜひ聞いてみてください。

わたしは、小説と詩集の全4冊を読み終えた後、「せっかくなら発音やリズムも確認しておきたい」と思い、オーディオCDも買いました。このCDがまた素晴らしいんです!小説の世界観だけでなく、原作の楽しいリズムや音が豊かに表現されています自分一人で文字と格闘していたら気付けない面白さを、耳で味わうことができるのでおすすめです。

個人的にはアメリカ英語の方が音として好みなのですが、このCDはピーター・デニスさんのドライなイギリス英語が、キャラクターたちの愛らしさと滑稽さを際立たせているので、聞いていてとても楽しいです。そもそも著者であるA.A.ミルンはイギリス人ですから、この音やリズムを想定して書いたんですよね。ディズニーが最初にくまのプーさんをアニメ化した際、アメリカ人の声優を起用して批判の的となり、クリストファー・ロビンの声をイギリス英語に差し替えることを求めるキャンペーンが行われたそうです。キャラクターのモデルであり、原作者の息子でもあるクリストファー・ロビン・ミルンも、このキャンペーンを支持し、結果的にディズニーが差し替えに応じたそう。確かに、イギリス英語でないと『Winnie-the-Pooh』の魅力が半減してしまう気がします。

A.A. Milne's Pooh Classics: Winnie-the-pooh/ the House at Pooh Corner/ When We Were Very Young/ Now We Are Six

A.A. Milne's Pooh Classics: Winnie-the-pooh/ the House at Pooh Corner/ When We Were Very Young/ Now We Are Six

アニメを見てみる

上記で触れたディズニーアニメ第一作を含む短編集です。プーさんファンからの「原作の雰囲気が損なわれている」という批判は多いそうですが、この短編集は動く小説のように感じました。原作にないキャラクターが出てきたりするものの、プーさんや森の仲間たちの可愛らしさを動画で楽しめるのは、原作を読み終えた後のご褒美のようです。

くまのプーさん 完全保存版 [DVD]

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  • アーティスト: リチャード・M.シャーマン,ロバート・B.シャーマン
  • 出版社/メーカー: ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント
  • 発売日: 2004/06/04
  • メディア: DVD
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オーディオドラマを聞いて、映画を見て、再び小説を読んでみると、ますますくまのプーさんの世界が楽しめると思います。クリストファー・ロビンとプーさんの約束、「”なんにもしない”ってことをする」ことの難しさは、大人ほど痛感しますよね。児童小説だけど哲学的な匂いがするのもまた、『Winnie-the-Pooh』の魅力のひとつだと思います。

 

Today's proverb

Learn to walk before you run. :走るより前に歩き方を学べ