こんにちは。
今日は英語学習者におすすめの洋書のご紹介です。映画化もされ、アメリカでは爆発的人気だったのに、日本では残念ながら盛り上がらなかった『The hunger games』。原作を読んでみたら、すっかり夢中になり、一気に読んでしまいました。
『The hunger games/ハンガー・ゲーム』とは
アメリカの作家、スーザン・コリンズによるヤングアダルト小説で、2008年に出版されて以降、26の言語、38の地域で販売された大人気作です。小説も映画も3作続く大人気シリーズとなっています。2012年3月には、スーザン・コリンズが最も多くAmazon Kindle向け電子書籍を売り上げた著者となったというから、すさまじい人気ぶりが伺えます。今日はそのシリーズ第1作をご紹介します。
あらすじ
パネムという名の独裁国家と化した近未来アメリカでは、キャピトルが政治の中心であり、キャピトル市民は貴族的特権を得ている。反乱の抑止を目的にキャピトルを囲む12の各地区から、12歳から18歳までの男女1名ずつが選出され、男女24人が殺し合う殺人サバイバル「ハンガー・ゲーム」が強制されていた。
それぞれの地区は産業の特性が限定され、農業地区・商業地区・工業地区・鉱業地区などに分かれている。「刈り入れの日」と呼ばれる選出の日に、プレイヤーに選ばれた12歳の妹プリムローズに代わって出場したカットニスは、狩猟で鍛えた弓矢の腕と持って生まれた鋭い勘を生かし、同じ地区から選ばれた少年ピータとともに戦いに挑む。カットニスは持ち前の精神力や能力で周囲を魅了し、指導係やスタイリストらを味方にして行く。カットニスの指導係となったかつてのゲーム勝者ヘイミッチはカットニスを優勝に導くべく、あれこれと助力する。
映画版のWikipediaより抜粋
ここから続く手に汗握るバトルと心理戦にドキドキが止まりません。エグい殺し合いの描写は薄めで、心理描写が多いので、バイオレンスなものはちょっと…という方でも大丈夫だと思います。
日本では同じく殺し合いを強いられるというストーリーの傑作『バトル・ロワイアル』があったためか、『ハンガー・ゲーム』はあまりヒットしませんでしたね。バトロワ以降、殺し合いをテーマにした模倣作のようなものもたくさんありましたし。映画版の『ハンガー・ゲーム』は、残念ながら薄っぺらい感じに仕上がっていたので、評価がイマイチだったのも頷けるかも…。
英語のレベル
ヤングアダルト小説なので、英検で言えば2級の方が挑戦するのにピッタリです。わたしは準一級を取ってから読みましたが、息抜きに読めるレベルでした。(それでも分からない単語がちょいちょい出てきますが…。)日本の高校生でも頑張って挑戦できると思います。
映画にはない小説版の魅力
映画版は、原作者が脚本に携わっているにも関わらず、「なんでそうなっちゃった?」と思う出来でしたが、小説は読み応えがあります。
まず主人公カットニスの生い立ちや生活環境が丁寧に描かれています。ベトナム従軍で父親を亡くした著者の体験が影響していると言われていますが、ある日突然いなくなってしまった父親への想いと、その日を境に変わってしまった家族の描写が胸に迫ります。
バトルが始まる前のカットニスやピータの戸惑いや苦しみも繊細に描写されています。2人を心の底から応援したくなります。
一見全く頼りにならない指導係であるヘイミッチ。いざとなると頼もしい姿がとてもカッコいいのですが、それもヘイミッチがなぜ自暴自棄な生活を送っているのか、彼が抱える苦悩にちゃんとフォーカスを当てているから。他のキャラクター造形もしっかりしていて、一人一人がとても魅力的です。
バトルの主軸となるカットニスとピータが肉体派ではないので、主に頭脳戦が繰り広げられます。このゲームをどう生き抜くのか、ハラハラしながら見守っていました。
そして、カットニスの淡い恋心もこの物語の魅力です。幼なじみゲイルとの心安らぐ時間と、目の前のピータ、二人の間で揺れ動くカットニス。感動とともに切ないラストに余韻が残ります。このドキドキ感は、大人向けの小説では味わえない、ヤングアダルト小説ならではの特権です。30代後半、久しぶりに感じるトキメキです。続編2冊でこの恋がどうなっていくのか楽しみです。
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以上、高校生から大人まで楽しめる、ファンタジーアクション小説『The hunger games』のご紹介でした。映画を見てイマイチだと感じた方も、小説は楽しめると思います!ぜひ原書で挑戦してみてください。
Today's proverb
A friend in need is a friend indeed.:まさかの友こそ真の友