英語版ポケモンテーマソングから学ぶ英語のルール【楽しく歌って覚えよう!】

こんにちは。

今世界中で話題の映画『名探偵ピカチュウ』。あのポケモンがハリウッドで実写化され、その愛くるしさで各国初日の興業収入No.1に輝いています。2Dでも十分可愛いポケモンがモフモフになっているなんてたまらないですよね。

meitantei-pikachu.jp

 そんなポケモンの英語版アニメ初代テーマソングを聞いたことがありますか?日本では『目指せポケモンマスター』だったのですが、Jason Paigeが歌う英語版は全く違う曲なんです。アニメらしくポップな日本語に比べ、英語版はロックテイスト。アニメを見ている方は、曲を聴くと戸惑うかもしれません。

「子どもと英語でアニメを見るのも勉強になりますよ」と人に紹介した際に、私も初めて聞いたのですが、これから英語を学ぼうとしている初級者の方にとって発見の多い曲なんです! 

そこで今日は、英語版アニメのポケモンテーマソングで学べる英語のルールをご紹介します。 

Pokémon Theme-New Studio Recording

Pokémon Theme-New Studio Recording

 

そもそもPokémonのéって何?

 ポケモン GOが大ブームになった時に気付いた方も多いかと思います。ポケモンを英語で書くと、Pokémonになります。

 このeの上の´って、英語ではあまり見慣れないですよね。これは、アキュート・アクセントと呼ばれるものです。スペイン語、ポルトガル語、フランス語、イタリア語等たくさんの言語で使用される記号で、

  • 異なる音素
  • 強勢
  • 長母音
  • 声調・高低アクセント

などを表すために使用されます。

これがなぜ英語で用いられているかというと、発音が通常の英語のルールと異なるから。

中学校等で習ったと思いますが、まずeの二つ前の母音は、通常アルファベット読みになります。また、この時eは読まれないか"イー"という音になります。

そのため、Pokemonと書かれていたら、"ポゥケモン"もしくは"ポゥキモン"という発音になってしまいます。(つつくという意味の"poke"をイメージすると分かりやすいかと思います。)ポケモンと正しく発音してもらうために、Pokémonという表記になっているんですね。

カラオケもkaraokéという表記であれば、”キャリオゥキ”という発音にはならなかったかもしれませんね。

テーマソング歌詞解説

Pokémonの謎が解けたところで、早速歌詞を見ていきたいと思います。子ども向けのアニメのテーマソングなので簡単な単語でできている歌詞ですが、ビギナーの方には勉強になることがたくさんあります。

Song written by John Siegler,John Loeffler

1番

I wanna be the very best

Like no one ever was

To catch them is my real test

To train them is my cause

I will travel across the land

Searching far and wide

Teach Pokémon to understand

The power that's inside

wanna

これは絶対に抑えておきたい口語表現ですね。want to の省略形です。カジュアルな場では本当に良く使われます。

very best

これは歌って練習して欲しい部分ですね。日本人が苦手とするvの音です。そのすぐ後にbがあるので、違いをちゃんと意識して歌えば、発音&リスニング力向上につながりますよ。

To

いわゆるto不定詞です。to+動詞の原形で、

  1. 名詞
  2. 形容詞
  3. 副詞

の働きをします。今回は、①の名詞的用法ですね。To catch themで、"彼らを捕まえること"という主語になります。

Serching

動詞にingを付けた現在分詞の形です。現在分詞には、

  1. 進行形
  2. 形容詞
  3. 分詞構文

の3種類の用法がありますが、この場合は③の分詞構文です。

さらにこの分詞構文には、

  1. 原因・理由
  2. 条件
  3. 譲歩
  4. 結果
  5. 付帯状況

とたくさんの用法がありますが、ここでは⑥の付帯状況”~しながら”という意味で使用されています。つまり、”探しながら旅をする”ということですね。

that's

関係代名詞のthatです。関係代名詞には他にwhoとwhich(+ what)がありますが、whoは先行詞が人、whichは物と動物にしか使用できないのに対し、thatは人・物・動物のどれであっても使えます。試験対策で文法を理解するためには使い分けを知っておく必要がありますが、会話の中ではthatを使っておけば間違いありません。主格と目的格の両方ともthatですしね。ただし、thatには所有格がないことだけ要注意。

アニメの歌詞でも、分析すると文法の勉強になりますね。

サビ

(Pokémon, gotta catch 'em all) It's you and me

I know it's my destiny

(Pokémon) Oh, you're my best friend

In a world we must defend

(Pokémon, gotta catch 'em all) A heart so true

Our courage will pull us through

You teach me and I'll teach you

Pokémon! (Gotta catch 'em all) Gotta catch 'em all

gotta

1番の歌詞にあったwannaと同様、本当に良く使用される口語表現で、have toの省略形です。「もう行かなくちゃ。」という時に、"I gatta go."と言ったりしますね。

ちなみにこの歌詞ではgottaの前の主語が省略されています。英語ではあまり主語を省略しないというイメージのある方もいるかといるかと思いますが、会話の中ではたまにありますね。

gottaと似たものに、gonnaがあります。こちらはgoing toの省略形で、現在や近い未来を表すbe going toで使用されます。"I'm gonna quit."のように、be動詞は省略されないので要注意。

wanna,gotta,gonnaは会話で本当によく使われます。しっかり覚えておきましょう。

'em

'が何かの省略を表すことは知っていても、「何だこれ?」と思った方も多いかもしれません。これはthemを省略しているんです。省略されたthはほとんど発音されません。口語で曖昧に発音される音を、'を使って文字で表現しているのです。

英語は文章の中で発音が変化し、一つ一つの単語がその発音記号通りに読まれる訳ではありません。前後の単語とくっついたり消えたりすることで、全く別の単語に聞こえてしまうくらい変化するんです。このリエゾンやリダクションなどの発音ルールによって、英語のリスニングが難しくなってしまうんですよね。

このgotta catch 'em allも、”ガラキャッチェモー”のように聞こえると思います。

発音の変化には一定の法則があります。わたしは魔法のリスニングシリーズで勉強しました。こちらの記事で詳しくご紹介していますので、気になる方はぜひ読んでみてください。 

www.inspire-english.net

In a world we must defend

このIn a worldとwe must defendの間には、関係詞が省略されています。候補としては、

  1. 関係副詞で先行詞が場所の場合に使うwhere
  2. 関係代名詞のwhich

のどちらかですね。今回の場合、後に続くdefendが他動詞で、目的語が欠けている不完全な文となっています。したがって、②の関係代名詞whichが省略されているということになります。 

pull through

pullもthroughも知っている単語なのに、組み合わさると意味が分からないですよね。Phrasal verb(句動詞)と呼ばれるやつです。pull + 目的語 + throughで、”(人に)困難を切り抜けさせる”という意味になります。

学校英語では馴染みの薄い句動詞、ネイティブスピーカーは頻繁に使うんです。

紛らわしいものも多く覚えにくいのですが、使えるようになるとこなれた英語が話せるようになりますよ。わたしは以下の本を使って覚えました。 

www.inspire-english.net

2番

Every challenge along the way

With courage I will face

I will battle every day

To claim my rightful place

Come with me, the time is right

There's no better team

Arm in arm we'll win the fight

It's always been our dream

challenge

日本語でも良く使われるチャレンジという言葉。”ちょっと頑張ってやってみる”という時にもチャレンジすると言ったりしますが、本来のchallengeはもっと困難なものに挑戦する場合に使われます。日本語で使うチャレンジは、tryの方がニュアンス的に近いことが多いです。

face

faceと言えば”顔”だけではありません。ここでは動詞で、"(危険や災難などに)真っ向から向かう、敢然と立ち向かう"という意味として使われています。

claim

これまたカタカナ語でも良く使われるクレーム。しかし本来の意味は、”要求する、(要求によって)獲得する”といった意味です。空港にある”Baggage claim”は、荷物を受け取るところですもんね。

わたしは、”スーツケースが壊れた時に文句を付ける場所”という意味だと思っていました…。

日本語での”クレームを付ける”は、"make a complaint"と表現します。

there's no

there's(there is)を否定文にするのは、notだけではないんです。there is no ~で”~が(は)ない”という意味なのですが、notよりもnoの方が、”完全にない”というような強いニュアンスになります。

この使い分けは繊細なので、たくさんの英語に触れて感覚で覚えていくしかないと思います。

arm in arm

arm in armで”腕を組みあって”という意味になります。ちなみに、hand in handは”手に手を取って”の他に、”協力して”という意味もあります。

It's aways been 

It'sはIt isではなくIt has。It has beenで現在完了形になっています。

過去形と現在完了形の使い分けって難しいですよね。ざっくり説明すると、純粋に過去にあったことを表すのが過去形、現在まで何かしらの影響を及ぼすものを表すのが現在完了形です。

文法をただのルールでなく、英語話者の感覚として覚えられる良書があります。こちらの記事で紹介していますので、ぜひ読んでみてください。 

www.inspire-english.net

英文法が感覚として身につくと、英会話や英語の試験がぐっと楽になりますよ。

まとめ

平均的に英語能力の高い非英語圏の方に聞くと、「テレビで英語の番組が字幕で放送されているので、子どもの頃から自然と英語に馴染んていた」と言う方が多いです。大人の英語学習だからと言って遅すぎるということはありません。同じようにアニメの英語から学べることがたくさんあるんです!お子さんのいる方なら、ご家族で一緒に英語学習ができますよね。ぜひお気に入りのアニメを見つけてみてください。

ちなみに、ポケモンGOのグッズの名前であり、ポケモンを捕まえたときのセリフでもあるGotcha!は、I got you!もしくはI’ve got you!の省略です。様々な場面で使える便利なスラングで、「捕まえた!」「やった!」「了解!」などの意味があります。日常生活で「これはどういう意味?」と思う英語に出会ったら調べてみるというのも、英語学習の大きな一歩ですね。

今日のポイントはこちら。

Point

子ども向けアニメも十分英語学習の素材になります。
音を良く聞きながら真似して何度も歌うことで、発音やリスニングに強くなるだけでなく、英語の構文が自然と身に付きますよ。

Amaozonでは、上記で紹介した英語版テーマソングをダウンロード購入できます。

下記のリンクからサンプルの試聴もできますので、是非聞いてみてください!

Pokémon Theme-New Studio Recording

Pokémon Theme-New Studio Recording

 

 

Today's proverb

First catch your hare.:捕らぬ狸の皮算用