『速読速聴・英単語シリーズ』で一石五鳥の英語学習【最小限の教材で英語を身に付けたいならこれ!】

こんにちは。

英語の学習を始めたばかりのビギナーの方たちに良く聞かれるのが、「どうやって勉強したらいいですか?」ということ。使える英語力を身に付けたいのであれば、”○○だけ”といった学習法より色んな方法で学ぶ方がいいと思うので、あれこれと紹介するのですが、皆さん表情が曇ります。忙しい現代人。あれもこれもやる時間は、なかなか取れないないですよね。

そんな方に、わたしがいつもおススメする教材はZ会の『速読速聴・英単語シリーズ』です。

今日は、レベルや目的に合わせて8種類が発売されているこのシリーズを、それぞれの特長ともにご紹介します。

ずっと使っている速読速聴・英単語シリーズ

速読速聴・英単語シリーズとは

Z会から出版されているこの速読速聴・英単語シリーズは、文脈で単熟語を覚えるタイプの単語帳です。Coreが最初に発売されたのは1999年。20年で累計155万部を売り上げた大人気の教材です。

監修は、2017年までNHKの『おとなの基礎英語』に出演されていた、松本茂先生です。英語で思考し英語で発信する"使える英語力"を身に付けるための英語教育の普及に尽力されている先生ですので、このシリーズももちろん、使える英語力が身につくように構成されています。

『おとなの基礎英語』と『しごとの基礎英語』は良い番組でした。終了してしまったのが残念です。

このシリーズの特長

このシリーズの売りは、一石五鳥。単語帳でありながら、速読・速聴解・単語・熟語・背景知識の力が付きます。それぞれのレベルや目的に合わせ、幅広い分野の英文に触れることができます。単語帳だと思って買うと面喰らうかもしれませんが、読解・聴解力を高めながらボキャビルできる本なのです。それぞれのトピックに関する背景知識も解説されているので、教養も身につきます

テーマの幅広さだけでなく、会話、メール、広告、ニュースなど、さまざまな形式の英文に触れられるのも、この教材の特長です。

一石五鳥どころか、何鳥にもなる本ですね。

速読速聴・英単語シリーズとの付き合い

英語学習を始めてからこれまで、このシリーズにはずっとお世話になっています。学習の中心に据えてじっくり取り組む価値のある本だと思います。

そもそも高校時代、同じZ会出版から出版されている文脈で覚える単語帳『速読英単語』が、学校指定の参考書でした。しかし、当時はCDなどの音声が付いておらず、ただただ黙読して単語を覚えるだけで、「それならいっそシンプルな単語帳の方がたくさん単語を覚えられるのに!」と思っていました。しかしそれは、効果的な使い方が分かっていなかっただけなんですよね。大人になってから再び英語学習を始めて、この速読速聴・英単語シリーズに出会い、活用方法を探る中で、文脈主義の良さにようやく気付きました。

学習法は以下に記しますが、有効活用すれば、シンプルな単語帳より定着率が高いと思います。また、”分かる”英単語ではなく”使える”英単語にするには、繋がりのない例文の羅列よりも、意味のある文章の中で覚えた方が効果的です。

また、この速読速聴・英単語シリーズの英文は興味深いものが多いので、単純に読み物として面白いです。この”面白い”という感覚は、学習効果を高めてくれますよね。また、英語力だけでなく教養も高められるなんて、まさに大人の語学学習にピッタリだと思いませんか?

特に、新しい文章を読みながら重要語句に出会っていくこの形式は、読書が好きな方に合う学習法だと思います。

学習法・活用法

このシリーズの基本の構成は、見開きの左側に英文、右側に日本語訳、その下や次のページに単語の意味や背景知識です。付属のCDは、レベルに合わせてスピードが異なります。どれもリスニング教材として挑戦するのに丁度いい速さです。

この教材は、以下の学習法に使えます。

  • 速読
  • 精読
  • リスニング
  • 音読
  • シャドーイング
  • ディクテーション

どの方法がベストということはなく、ご自身の強化したい能力に合わせて組み合わせて使うのが一番効果的です。

リスニング力を上げたい時は、リスニング→精読→リスニング→音読、リーディング力を高めたい時は、速読→精読→リスニング→音読の順がおススメです。

シャドーイングやディクテーションをするには付属の音声が早めなので、そこまで一気にやろうとするとしんどいです。次のレベルの本のリーディングやリスニングを始めて、余裕が出てきた頃に一つ前の教材のシャドーイングをする、といった進め方がわたしにはちょうど良いです。一冊ずつ完璧に仕上げたいという方は、再生速度を変更できるアプリを使って、少しゆっくり目から始めるのもいいですね。

上の勉強を繰り返しているうちに、単語は自然と覚えられます。使える英単語にするには、文脈の中で声に出して覚えるのが近道です。シリーズ全てを使うと、単純計算で11,900語の単熟語が学べるシリーズです。(重複があるかもしれません。)

趣味の英語の最高峰と言われる英検準一級に必要なのが8,000語程度ですから、これだけ覚えれば自分の意思を伝えることには困りませんね。

各速読速聴・英単語シリーズの特徴まとめ

全8冊の特長を以下にまとめました。ご自身の英語レベルや学習の目的に合わせて、お好きなものから始めてみてください。

全ての単語が分からないものだとしんどいと思うので、「見出し語の2~3割はなんとなく分かる」くらいのものを選ぶと良いと思います。

一般学習向け

速読速聴・英単語Basic2400 

TOEIC500点台 / 英検3級〜準2級

単語1900+熟語500

英語学習を始めたばかりのビギナーの方にはこれ!中学レベルの英語の総復習ができます。

速読速聴・英単語 Basic 2400 ver.3 (速読速聴・英単語シリーズ)

速読速聴・英単語 Basic 2400 ver.3 (速読速聴・英単語シリーズ)

 

身近なのに知らない単語も出てくるので、初中級レベルの方でも発見のある一冊だと思います。

速読速聴・英単語Daily1500 

TOEIC500〜700点台 / 英検2級

単語1200+熟語300

「記憶の片隅にあった英単語は思い出したので、新しく単語を覚えていきたい」という初中級の方向け。Dailyという名前の通り、「日常生活」「旅行」「ショッピング」「食事・料理」「スポーツ」「健康・癒し」「音楽・アート」「サイエンス」といった日常生活に役に立つトピックから、英単語が学べます。 

速読速聴・英単語Daily1500 ver.3 (速読速聴・英単語シリーズ)

速読速聴・英単語Daily1500 ver.3 (速読速聴・英単語シリーズ)

  • 作者: 松本茂、Gail K. Oura、Robert L. Gaynor、Nerys Rees,松本茂
  • 出版社/メーカー: Z会
  • 発売日: 2016/03/10
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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ビギナーから中級への橋渡しにピッタリです。

速読速聴・英単語Core1900 

TOEIC600〜800点台 / 英検2級〜準1級

単語1400+熟語500

速読速聴・英単語シリーズの中でも1番長い歴史のあるCoreは、確実に中級レベルの英語力を身に付ける教材の決定版。日常会話レベルから、「環境」「教育」「政治・国際情勢」「司法」「科学・テクノロジー」といったニュース英語を理解できるレベルへのステップアップになります。 

速読速聴・英単語 Core1900 ver.5

速読速聴・英単語 Core1900 ver.5

 

大学受験にも最適。英検準一級を受けた際は、リスニングとリーディング対策にこれを使いました。

速読速聴・英単語Opinion1100

TOEIC600〜800点台 / 英検2級〜準1級

キーフレーズ250+単熟語850

レベルとしてはCoreと同じ中級ですが、英語で意見を述べる勉強をしたい方はこちら。「日常生活」「教育・社会」「生命」「司法」「環境・国際」といったトピックから、テーマに対する賛成・反対意見の英文が掲載されています。ライティングやスピーキングの試験対策にも最適です。 

速読速聴・英単語 Opinion1100 ver.2 (速読速聴・英単語シリーズ)

速読速聴・英単語 Opinion1100 ver.2 (速読速聴・英単語シリーズ)

  • 作者: 松本茂、Robert L. Gaynor、Gail K. Oura,松本茂
  • 出版社/メーカー: Z会
  • 発売日: 2017/03/09
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
  • この商品を含むブログを見る
 

松本先生がTwitterを通して直々にお薦めしてくださり、英検準一級のスピーキング対策に使用しました。この本のお蔭で余裕の二次試験突破でした。

速読速聴・英単語Business1200 

TOEIC700〜900点台 / 英検準1級〜1級

単語1120+熟語80

こちらもちょっと特殊な位置付けの教材です。「経済全般」「経営戦略」「財務・金融」「マーケティング」「有名経営者」といった経済・ビジネスに関する英単語を学べます。レベルは中上級。背景知識が記載されていますが、ある程度基礎知識がないと骨が折れます。上記の業界で英語を使って働きたいという方にはおススメです。 

速読速聴・英単語 Business 1200

速読速聴・英単語 Business 1200

 

あまり良く知らない分野の話が多かったので大変でしたが、確実に教養になりました。

速読速聴・英単語Advanced1100 

TOEIC800〜990点 / 英検1級

単語950+熟語150

8冊のうちの最上級。英字新聞・雑誌やインターネットの英語記事、英語放送などを理解するために必要となる単語を、実際の英字新聞の記事などから学べます。速読速聴・英単語で学習を続けている方はぜひ目指したいゴールですね。

*2020年3月にVer.5が発売され、英文の50%が新しくなりました(見出し語の36%も入れ替え)。また、「歴史・文化」の章が加わったので、英検などアカデミックなトピックが出題される試験の対策にも最適です。他にも、見出し語の英英定義が増えたり、レビューテストが追加されたりと、さらに内容が充実したようです。  

速読速聴・英単語 Advanced 1100 ver.5 (速読速聴・英単語シリーズ)

速読速聴・英単語 Advanced 1100 ver.5 (速読速聴・英単語シリーズ)

 

英検一級対策のためにver.4を使用しました。このシリーズをずっと使ってきたので、Advancedに到達できたのは感慨深いものがありますね。

 

TOEIC向け

速読速聴・英単語TOEIC(R) TEST STANDARD 1800 

TOEIC500~700点台

単語1600+熟語200

TOEIC初受験の方から使える教材です。写真の描写、会話、アナウンスや短い話、ビジネス文書など、TOEIC L&Rの形式の英文に大量に触れることができます。140の英文全てに音声付きなので、一般のTOEIC問題集に追加して学習するのにぴったりのお得な一冊です。

*2019年3月にVer.2が発売され、ミニ模試が収録されました。掲載されている英文も、最新のTOEICの傾向に合わせて一部刷新されています。

TOEIC(R) TEST 速読速聴・英単語 STANDARD 1800 ver.2 (速読速聴・英単語シリーズ)

TOEIC(R) TEST 速読速聴・英単語 STANDARD 1800 ver.2 (速読速聴・英単語シリーズ)

  • 作者: 松本茂,Kevin Glenz,Patrick Horckmans,Gail Oura,Robert Gaynor
  • 出版社/メーカー: Z会 (ZKAI)
  • 発売日: 2019/03/17
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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この本で、TOEIC L&R 800点台を取れました!

速読速聴・英単語TOEIC(R) TEST GLOBAL900 

TOEIC800点~

単語700+熟語200

こちらはTOEICの上級版ですが、少しTOEIC形式を外れた英文も載っています。「オフィスの日常業務」「受発注」「出張」「会議・プレゼン」「商談・契約」「顧客対応」「求人・就職」「経営学の基礎」等のトピックに関して、会話、スピーチ、アナウンス、メール、手紙、記事、契約書の形式の英文が掲載されています。TOEICで高得点を狙う方だけでなく、英語を使って働きたいという方にもオススメです。

*2019年3月にVer.2が発売され、ミニ模試が収録されました。また、最新の問題に合わせて、3人の会話なども入っています。 

TOEIC(R) TEST 速読速聴・英単語 GLOBAL 900 ver.2 (速読速聴・英単語シリーズ)

TOEIC(R) TEST 速読速聴・英単語 GLOBAL 900 ver.2 (速読速聴・英単語シリーズ)

  • 作者: 松本茂,Robert Gaynor,Gail Oura,Kevin Glenz
  • 出版社/メーカー: Z会 (ZKAI)
  • 発売日: 2019/03/17
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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この本を使って、TOEIC L&R 955を達成しましたが、それでもまだまだ吸収しきれていないと思うほど、盛りだくさんな内容です。

 

以上、使える英語力を身に付けるのに最適な教材、速読速聴・英単語シリーズのご紹介でした。

 

Today's proverb

Good seed makes a good crop.:良い種は良い作物を作る