こんにちは。
私は今、Inspire Englishというオンライン英会話スクールで、英検®︎集中対策コース(1級/準1級)の受講生の方に学習アドバイスをしているのですが、リーディングパートに関して良く聞くお悩みが、「読んでいる時は分かったつもりだったんだけど、ふと問題を解こうとすると内容が頭に残っていない」ということです。
そのお悩みよく分かります!
英検の準1級や1級の受験を目指すレベルになると、長文もそこそこ読めるようになっているんですよね。ただし、試験問題全てがスラスラ読める訳ではないですし、知らない単語に引っ掛かることもあります。そうこうしながら何とか英文の最後までたどり着くんですが、"木を見て森を見ず"の状態になってしまっていて、全体としてどんな話だったのかを掴み損なっているのです。
一方で、英文読解を得意とする人もいます。私は比較的そのタイプで、TOEICでも英検でも、リーディング>リスニングという一般とは逆のスコアでした。初受験の英検1級のリーディングパートで満点を取れたのも、元々読解が得意だったからだと思います。
では、長文読解が苦手な方との間に英語力の差があるのかと言えば、答えはNOです。そのベースにあるのは単純に、"長い文章を読むのが得意"だということだと感じています。(日本語である”現代文”でも得意・不得意がありますもんね。)
つまり、長文を読むのが得意な人の思考回路を覗けば、英文解釈がぐっと楽になるはず!
そんな時におすすめの教材が、本日ご紹介する『英語リーディングの極意ー10の原則で読み解くー』です。
『英語リーディングの極意ー10の原則で読み解くー』とは
"本当の実力を身につけたい英語学習中級者、上級者のための本格的な読解参考書"という謳い文句の通り、レベルの高い英文を読みこなすための技術が書かれた本です。
英検対策本として売り出されているわけではありませんが、英検の長文から12題(2級1題、準1級4題、1級7題)、1級リスニングPart2から4題を取り上げて解説しているため、英検に出題されるようなアカデミックな英文の読解力を、徐々にステップアップしながら身に付けることができるんです。
もちろん、英検以外の長文読解対策にもなりますし、ネイティブ向けの本や雑誌等を読みこなす力を付けたい方にもぴったりです。
本書の構成
まずはこの本の肝である”10の読解原則”がまとめて紹介されています。参考書や問題集って、ポイントが順番に出てきて、章末にそれぞれのまとめがあることが多いのですが、冒頭に全てまとめられていることで、最初に概要を掴むことができますし、ひと通り学習を終えた後に繰り返し確認する時にもとても便利なんです!
学習者の使いやすさを良く理解してくれているなぁと感じます。
その後は、英検の過去問を素材にした実践問題が続きます。解答には冒頭の”10の原則”を活用しながら読む方法が解説されており、ここをしっかり理解することで、文章の流れをしっかり捉えながら読んでいくことができるようになります。
また、”10の原則”で見えてくる文の繋がり以外にも、文構造や文法、表現なども解説されているので、ふんわりとしか理解できなかった英文がスッキリ頭に入ります。
おすすめポイント
この本で大事にされているのは、文構造です。それも1センテンスの中での構造ではなく、文章の構成が見えるようになるための”10の原則”が解説されています。
新しい文章に出会った時、背景知識を持っていたり、あらすじや要約を予め読んでおいたりすると、すんなり理解しやすくなりますよね。それに近いイメージで、読解の得意な人の頭の中では、文構造の先読みができているんです。それも感覚で。
こうきたら次はこういう展開になるだろうなぁと予測しながら読んでいる状態ですね。
これを身に付けるには本来、とにかくたくさん読んでパターンを知っていくことが大切です。でも試験前となると、そんなに悠長なことを言っていられないのが現実ですよね。
しかも、日本語の場合は起承転結で話が進みますが、英語は序論→本論→結論で展開するのが基本。文章の組み立て方から違うので、英文を読みこなす力をつけるには、英語のパターンが身体に染み込むまで英文をどっさり読むしかありません。
そんな理想はさておき、「そもそも文章を読むことがあまり好きではないので、たくさん読むのは苦痛…」「せめて何か手掛かりが欲しい!」という方の救世主になるのが、『英語リーディングの極意ー10の原則で読み解くー』なんです!英文を実際に読む時の頭の働かせ方を教えてくれるので、これ1冊をしっかりこなせば、英文がクリアに見えてくるはず。しかも、読んだ内容を整理しながら頭の中に留めておくこともぐっと楽になりますよ。
この本で学んだ後におすすめの教材
この本で”10の原則”を身に付けたら、あとはどんどん英文を読んでいきましょう。今はインターネットなどで、いくらでも英文にアクセスできる時代ですが、学習の過程では、誤読していないか丁寧に確かめながら読むことも重要です。
『速読速聴・英単語』シリーズや、『テーマ別英単語 ACADEMIC』シリーズなどには日本語訳がついているので、ハイレベルな英文を解釈を確認しながら読めるおすすめ教材です。ついでに語彙力の強化にもなるので、英語の試験対策にも嬉しいですよね。
速読速聴・英単語 Advanced 1100 ver.5 (速読速聴・英単語シリーズ)
- 作者:松本 茂,Robert Gaynor,Gail Oura
- 発売日: 2020/03/12
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
これらの教材は、以下の記事で詳しくご紹介しています。
また、受験生定番の問題集である『英語長文問題精講』を解いて、本当に理解できているかどうかを確かめるのもおすすめです。
問題(特に和訳)を解くのって誤魔化しが効かないですからね…。
難易度の高い英文が収められていますし、和訳問題であやふやにしか理解できていないところが炙り出されるので、私は英検1級取得後でも冷や汗をかきながら解いています。
さらに精読力を上げたい方に
それでもなお「まだあちらこちらのセンテンスの解釈で詰まってしまう…」「ややこしい構文が出てくると誤読してまう…」という方は、以下のような英文解釈の教材も読んでみてください。さらに英語が”見える”ようになってくると思います。
「試験まで時間がない!」という方は、『ポレポレ英文読解プロセス50』が分量少なめで取り組みやすいですよ。
まとめ
日本人は英語の4技能の中でリーディングが得意だと言われていますが、英検の上位級の問題や、ネイティブ向けに書かれた英文などをすんなり読みこなせるようになることは決して簡単ではありません。
英検1級のリーディングで満点を取れたと言えど、私もまだまだです…。
長文読解で伸び悩んでいる方は、ぜひ本日ご紹介した『英語リーディングの極意』で、英文を読み解くカギを手に入れてくださいね。
そしてコツを掴んだ後はたくさんの英語に触れて、一緒に英語の感覚を身につけていきましょう!
Today's proverb
Better to ask the way than go astray. : 聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥