こんにちは。
今日はやれば英単語の見え方が違ってくる、おススメ洋書ボキャビル本『INSTANT WORD POWER』と『Word Power Made Easy』のご紹介です。これら本の最大の特徴は、英単語を語源から学ぶというコンセプトです。歴史を辿れば、ラテン語やギリシャ語などから生まれた英単語たち。英単語を語源から学ぶことによって、語彙力がぐんと上がります!本日ご紹介する2冊は、ネイティブの方が語彙力を高めるための本なのですが、中級以上の英語学習者であれば付いていけるレベルですので大丈夫です。
3ヶ月かけて2冊をやり終えたのでレポートしたいと思います。
- 語源で学ぶメリットは?
- 洋書ボキャビルとは?
- 中級者向け『INSTANT WORD POWER』
- 上級者向け『Word Power Made Easy』
- 2冊を終えた感想
- おまけ:初級者向け『英単語の語源図鑑』
語源で学ぶメリットは?
日本語にはものすごい数の漢字がありますが、見知らぬ漢字に出会っても、何となく意味が推測できることってないですか?漢字は偏や冠などの部首で構成され、それぞれが意味を持っています。ですから、さんずいなら水に関係があるとか、くさかんむりなら植物に関係があるといった手掛かりを元に、知らない漢字も何となく意味を推測できます。また、文章を読む中で知らない単語のひとつやふたつ、おおよその意味がわかれば、調べなくても何の問題もなく要旨が理解できるんですよね。
一見意味のないアルファベットが並んでいるように見える英単語でも、実は同じことが起こっているのです。
多くの英単語は、接頭辞+語根+接尾辞で構成されています。例えば”匿名”意味するanonymous。a(否定)+nonym(名前:onyma)+ous(形容詞)という構造で、ギリシャ語由来の単語です。この接頭辞、語根、接尾辞は、たくさんの単語で使われており、a-が付いていれば”〜でない”、nonymがあれば”名前”に関する単語だということが推測できるようになります。また、synonymous(同意語の)に出会った時に、「a-がsy-に変わっている!」と気付き、そこからsynが”同じ”を表すということを知る。すると今度は、synthesize(統合する)が、すっと頭に入ってくるようになるのです。さらに、-izeが”〜化する”という意味だということを覚えれば、initializeはinitial(初めの)を”〜化する”に変化させた動詞だと分かります。
こうして、まるで蜘蛛の巣のように語彙を増やしていくことができるのが、英単語を語彙から学ぶメリットです。接頭辞で品詞が見分けられるようになれば、TOEIC L&Rのパート5,6を解くスピードも格段に早くなりますよ。
英検準1級に合格し、いざ1級に向けて勉強を始めようと思った頃、増やさねばならない語彙が5000以上であることを知り、「なんとか効率良く覚えたい。知らない単語が試験に出ても、意味が推測できるようにしたい」思っていたところ、ネットの口コミで見つけたのが、本日ご紹介する『INSTANT WORD POWER』と『Word Power Made Easy』という洋書ボキャビル本でした。
中級以上の英語学習者が強くおすすめしている2冊なんです。
洋書ボキャビルとは?
洋書ボキャビルとは、そのまんま、洋書で語彙力増強をすることです。英単語は英語で学ぶと良いと言われ、中級以上の英語学習者は英英辞典を使うことを勧められます。
確かに、英単語の意味を英語で掴むことは非常に勉強になります。ついでにリーディングの練習にもなりますし、類語も意味の説明に含まれているので、一石二鳥どころか三鳥か四鳥くらいにはなるかもしれません。
とは言え、英語を英語だけで学ぶのはしんどいので、わたしは日頃、日本語で書かれた単語帳やアプリでざっと覚えて、リーディング教材や洋書、海外ニュースなどで定着させるという方式にしています。単語の意味の英文を読むのは単調になりがちですが、ストーリーがあれば楽しく読めますからね。細かなニュアンスの違いを知りたい時のみ英英辞書を活用してきました。
しかし、そんなわたしでも『INSTANT WORD POWER』と『Word Power Made Easy』は完走できました!
長い闘いでしたが、確実に英語に対する意識が変わり、英単語の見え方が変わりました。
中級者向け『INSTANT WORD POWER』
特徴
力強いタイトルからして頼りになりそうな本ですよね。この『INSTANT WORD POWER』は、38セッションとまえがき、あとがきがありますので、一日1セッションずつで約40日かかります。これ一冊に500以上の単語とその語源が含まれています。
この本のすごいところは、自分で復習しなくても単語が身につくところです。なぜなら、しつこいくらい何度も説明され、練習し、テストされるからです。体育会系のトレーニングです。まるで英語のビリー・ザ・ブートキャンプです。それでも嫌にならないのは、手を変え品を変え、様々な形で同じ単語に出会わせてくれるからです。
しかも間にちょくちょく挟まれる、「語彙力を上げれば、人生が豊かになるぞ!」という熱いメッセージが、折れそうになる心を励ましてくれます。
わたしの頭の中では、松岡修造さんで再生されていました。
英単語のレベル
ネイティブ向けの本ではありますが、英検準1級くらいの英語力がある方なら、楽しく取り組める本だと思います。
- 作者: Norman Lewis
- 出版社/メーカー: Signet
- 発売日: 1989/09/01
- メディア: マスマーケット
- 購入: 47人 クリック: 213回
- この商品を含むブログ (28件) を見る
このボリュームと密度の本が1,000円とちょっとで買えちゃうなんて、お得すぎます!
上級者向け『Word Power Made Easy』
特徴
INSTANT WORD POWERと同じ著者によるボキャビル本です。前のが面白かったので、続けてこちらもやることにしました。
同じく語彙から覚える本ですが、レベルが高く分量も多いので、INSTANT WORD POWERを終えてからこちらに入った方が、とっつきやすいかと思います。
こちらは47セッションと間の文法&スペリングコーナーで構成されているので、まえがきとあとがきを含めて約60日かかりました。中身もこちらの方がボリュームがあります。厚みもあるし、字も小さいです。800以上の単語とその語源が載っています。
こちらはINSTANT WORD POWERに比べてしつこさがありません。こちらは文化部のイメージです。まずは意味が説明されて、次のセッション以降で語源や関連語が説明されていきます。ドリルは変わらず、口に出して、考えて、書いてを繰り返すので、覚えやすくはなっていますが、記憶を定着させるには自分で復習の時間を設ける必要があります。
『INSTANT WORD POWER』と被る単語はあまりないので、2冊やって損は全くありません。
むしろたまーに現れる被りはラッキー♪くらいな感覚です
英単語のレベル
ネイティブがより高度な語彙を身につける為の本ですので、非ネイティブにはかなりハイレベルです。しかし、英検1級レベルの単語も含まれていますので、英検1級語彙対策中の方にちょうどいいと思います。
Word Power Made Easy: The Complete Handbook for Building a Superior Vocabulary
- 作者: Norman Lewis
- 出版社/メーカー: Anchor
- 発売日: 2014/11/04
- メディア: マスマーケット
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こちらも1,000円とちょっとで買えちゃうなんて、信じられません!
2冊を終えた感想
作者のNorman Lewis氏が言う通り、英単語の捉え方、見え方が変わりました。知らない単語でも語源が見えてくるので、新しい単語に出会った時にも意味が推測しやすくなり、自分よりちょっと高いレベルの英文のリーディングが楽になりました。
そして何より、英単語に親近感が湧きました。英語は、ラテン語やギリシャ語などの言語から、長い時の中で、数えきれないほどの人たちによって変化し生まれた言語。その歴史や文化的背景に触れたことで、英語そのものへの興味も増し、英英辞典を引くのも楽しくなっています。
さらに、以前は苦手だった英単語のスペルが覚えやすくなりました!語源を知っていると、スペルもなんとなく予想がつくんですよね。
ただし、一周で全ての単語を覚えられた訳ではないので、折を見て復習が必要ですね。
これだけの本が、一冊1000円程度で手に入るなんて、コスパが良すぎると思います。
洋書ボキャビルを試してみたい方や闇雲に単語を覚えることに疲れた方、ハイレベルな語彙を身につけたい方にオススメです。
おまけ:初級者向け『英単語の語源図鑑』
英語で英語を学ぶのハードルが高い!というビギナーの方にはこちらの『英単語の語源図鑑』もオススメです。
この本の特長は、語源がイラストで説明されていることです。イメージで覚えられるので、定着率が高く、応用が効くようになります。特に、幅広い意味を持つ単語は、日本語の訳語で意味を理解するよりも、イメージで覚えた方が断然使える英単語になります!
掲載されている単語のレベルも初級から中級への橋渡しに丁度いいので、ステップアップを望むビギナーの方にはぴったりだと思います。
時々難しい単語も入っていますが、イラスト付きなのでするする読めちゃいます。
英単語の見え方が変わる語源学習、ぜひ皆さんも試してみてください!
Today's proverb
The pen is mightier than the sword. :ペンは剣よりも強し