こんにちは。
皆さん、オーストラリア英語の聞き取りって得意ですか?わたしはとっても苦手です。
昨年末にTOEIC L&Rで955を取得したものの、リスニングパートにオーストラリア人のナレーターが出てくると、「あー、これはもうダメだ」という気分になります。イギリス系とは言うものの、オーストラリア特有のアクセントがあるんですよね。しかも、オーストラリア英語に特化した教材って、一般に売っていないんです。
しかし、面白いオーストラリアのドラマに出会いました!オーストラリアの歴代視聴率No.1を誇る大人気ドラマ、『Wentworth/ウェントワース女子刑務所』です。シーズン1を見終わったところですが、夢中になって見ています。これなら今度こそオーストラリア英語への苦手意識が克服できるはず!!
そこで今日は、このドラマ『Wentworth/ウェントワース女子刑務所』をご紹介します。
『Wentworth/ウェントワース女子刑務所』とは
『Wentworth/ウェントワース女子刑務所』は、2013年から放送が始まった、オーストラリアドラマ史上最高視聴率を誇る大人気ドラマです。
ウェントワース女子刑務所を舞台に、女囚人たちが権力の座を巡って壮絶なバトルを繰り広げます。頭脳戦あり、肉弾戦あり。片時も油断できないスリリングな争いに、ぐんぐん引き込まれます。
このドラマは、1979年から7年に渡って放送された『Prisoner』のリメイクで、登場人物や設定を引き継ぎながら、新しいストーリーを構築しています。批評家たちからの評価も高く、数々のドラマ賞を受賞。ニュージーランドやイギリスでも『Wentworth Prison』のタイトルで放送された他、20ヶ国で放映されているそうです。さらにはドイツ、オランダ、ベルギー、トルコなどでリメイクされているとのこと。現在オーストラリアではシーズン6まで放送されており、シーズン7が2019年に放送開始予定です。さらに20話の契約も済んでおり、2020年から2021年にかけてのシーズン8,9の製作が予定されているようです。
日本の地上波では、2018年夏にフジテレビでシーズン1が放送されました。
イチ押しポイント
数ある英語学習法の中でも、海外ドラマは気楽に続けられるものですが、肝心のドラマが面白くないと続かないですよね。『Wentworth/ウェントワース女子刑務所』には、続けて見たくなる要素が揃っています!
Binge-Watching(一気見)したくなってしまう中毒性のあるドラマなんです。
魅力的な登場人物
まずはこれ。なんといっても、俳優さんたちがとても魅力的です。オーストラリアやニュージーランドを拠点に活躍されている方たちなので、海外ドラマファンの方でもあまり馴染みのない俳優さんばかりだと思いますが、皆さん芝居が上手い!他のドラマのイメージにひっぱられることなく、ストーリーに没入できますよ。
また、移民大国のオーストラリアらしく、様々な人種の俳優さんたちが活躍されているのも嬉しいポイントです。しかし、刑務官側の俳優さんがほとんど白人で構成されているのがリアルなのか、ホワイトウォッシングなのかは気になるところです。
登場人物の年齢層が高いため、30代〜40代くらいの視聴者には、思わず感情移入したり、肩入れしたりしてしまうキャラクターが多いのではないでしょうか。
シーズン1から登場しているキャラクターで、特に印象的な方たちをご紹介します。
ビー(Bea Smith) / Danielle Cormack
シーズン1の主役です。DV夫に対する殺人未遂の容疑で収監された彼女が、女子刑務所の厳しい洗礼を受けながらのし上がっていく様子が描かれています。
刑務所の世界に染まっていないキャラクターですので、視聴が一番共感しやすいポジションです。その為、演じるのが一番難しいところだと思いますが、ニュージーランド出身のDanielle Cormackが、繊細かつ大胆に好演しています。ハスキーな声がカッコいい!しかも、シーズン2以降どんどん輝きを増していきます。
Danielle Cormackは、ニュージーランドとオーストラリアで数々の女優賞を受賞している方のようです。娘を思う母であるビーの姿は、涙無くしては見られません。シーズン4で降板されたそうです。ビーなしでどんなドラマになっているのか、楽しみでもあり不安でもありますね。
フランキー(Francesca "Franky" Doyle) / Nicole da Silva
このドラマの最大の功労者ではないでしょうか。ウェントワースを暴力、クスリ、心理戦などあらゆる手段で牛耳るフランキーを、嫌味なくカッコいい女性に仕上げています。実は気遣いの人で頑張り屋というのも良いですよね。
このフランキーを演じるNicole da Silvaはオーストラリアの俳優さん。このフランキー役でオーストラリアの俳優賞を受賞しています。出演者の中では若手の方ですが、圧倒的な存在感です。鍛え上げた身体にタトゥーがよく似合う!もし日本版のリメイクがあったとしても、この役をやれる俳優は日本にはいない!!そのくらい惚れ込んでいます。
敵に回すと本当に恐ろしいフランキーですが、ドラマの中では彼女の弱さも描かれています。父親との別れで流した涙が、彼女の魅力をいっそう引き立てます。彼女に何度涙を誘われたことか。シーズン6で降板されたそうですが、現在出演中のドラマも見てみたいです。
ヴェラ(Vera Bennett) / Kate Atkinson
刑務副所長。プライドを持ってまじめに仕事に取り組んでいるものの、所長に昇進するチャンスはなかなか訪れず、次々入れ替わる所長にフラストレーションを溜め込んでいます。家には過干渉で子離れできない母親がおり、デートどころか友達と遊びに行くことすらままなりません。
様々な歪みによって生き辛さを抱える彼女の内面が丁寧に描かれており、刑務官側のキャラクターですが、抱えている問題のリアルさに、見るたびに胸が苦しくなります。それだけに、恋愛が成就した時の喜びや、その後の展開は、こちらの心まで激しく揺さぶられます。
ヴェラを演じたKate Atkinson、上のリンクのプロフィール写真では美人さんなのですが、ドラマの中では化粧気もなく、いつも眉間にしわを寄せて口をへの字に結んだ気難しい女性を、とてもリアルに演じていらっしゃいます。シーズンを重ねるごとに、強さを増していく姿も素敵です。
ウィル(Will Jackson) / Robbie J. Magasiva
暴動の最中に何者かに殺された刑務所長の夫で刑務官。優しく理解のある刑務官であったウィルが、奥さんを亡くした悲しみと犯人への怒りで苦しむ様に心が痛みます。誰が刑務所長を殺したのかという謎が、シーズン1のストーリーのカギとなっているので、彼に感情移入しながら見る方も多いと思います。
ウィルを演じているRobbie J. Magasivaの魅力は、なんと言ってもその肉体美!ドラマの中でも触れられていますが、惚れ惚れするほど逞しく鍛え上げられています。あの二の腕と笑顔はずるい!
ファーガソン(Joan Ferguson)/Pamela Rabe
シーズン2から登場する方もおひとり紹介しておきます。ウェントワースを語る上で絶対外せないキャラクター、刑務所長のファーガソン。そのサイコパスっぷりに戦慄させられます。
演じているのは舞台やドラマでいくつもの賞を受賞されているPamela Rabe。その重厚な演技に引き込まれます。黙って立っているだけで語れる俳優さんなんですよね。ほんの少しの表情の変化や仕草も抜群に怖い!
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Robbie J. Magasivaはニュージーランドの俳優さんだそうです。主役のビーを演じたDanielle Cormackもニュージーランドですが、オーストラリアで活躍するニュージーランドの俳優さんって多いのでしょうか?
私のお気に入りは断然フランキー!シーズン1のvillain(悪役)っぷりは本当にカッコいいです!!
それにしてもウェントワースは、オーストラリアの俳優さんの演技のレベルの高さと層の厚さを見せつけられるようなドラマですね。
日本人好みのストーリー
ストーリー展開が日本人好みだと思います。シリアスなドラマなので、海外のコメディのように、文化の違いで笑いどころが分からないということもありません。暴力シーンも多いですが、アクションを見せるというより、そこにいる人間を見せているという点も、邦画に通じるものを感じます。
どの登場人物もその人間性が丁寧に描写されているので、じっくり画面に向かい合って見たくなるドラマです。囚人、看守共に闇を抱え、もがき苦しむ姿に、あっという間に心を鷲掴みにされます。
同じ女子刑務所を舞台にした人気ドラマに、Netflixの『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』がありますが、ハリウッド映画より邦画が好きな私にとっては、『Wentworth/ウェントワース女子刑務所』の方が断然面白いです。
バービー(BBQ)大好きなフレンドリーで陽気なオーストラリア人というイメージをぶち壊すドラマですね。
テンポの良い演出
日本のドラマのように、1シーズン10~12回。放送回ごとに、主要キャラクターの過去が明かされます。刑務所で今起こっているできごとに絡めて、 刑務所に入るまでの背景がたびたび挟まれながらストーリーが進むのですが、とてもテンポがいいので、あっという間に1話分が終わってしまいます。
繊細な映像も魅力の一つ。刑務所内の緊張感がこちらにもひしひしと伝わってきます。
貴重なオーストラリア英語が聞ける
これ、本当に貴重です。オーストラリア英語にどっぷりつかれる素材って、なかなか見つからないんですが、ようやく出会えました!しかもドラマなら無理なく楽しく続けられるので最高です!!
何しろいきなり、"What's your name?"が聞き取れません。ワチャナイ?にしか聞こえないんですよね。そのあと畳みかけるように出てくる"You know the drill, mate."のmate。これもまたメイトよりマイトに近い音です。
todayがto dieに聞こえると言われるオーストラリア英語ですが、1シーズン通して見てみるとこのルールにも慣れてきます。苦手だと思っていたオーストラリアのアクセントに、だんだん愛着が湧いてきました。まだ頭の中で変換しなくてはいけない単語がしばしばありますが、ドラマを見始める前に比べて断然聞き取りやすくなっています。
2019年2月からHuluで配信が始まるシーズン6まで全部見れば、全70話になります。一話あたり45分程度ですから、50時間以上オーストラリア英語に触れることができますね。
一般のTOEIC教材のリスニングCDが120分であったとしても、英・米・加・豪の4か国のナレーションで構成されているので、オーストラリア英語は1/4の30分。つまり、TOEIC教材100冊分のオーストラリア英語を聞ける計算になるです!
オーストラリアアクセントへの苦手意識を持つ学習者にとっては、まさに救世主ですよね。
英語のレベル
『Wentworth/ウェントワース女子刑務所』 の英語は簡単ではないと思います。
囚人たちの英語は荒く、スラングも多いですし、発音も丁寧ではありません。オーストラリア英語を聞き慣れていないうちは、英語字幕がないと単語すら拾えないことも。
看守たちの英語は比較的クリアなので、イギリス英語に慣れている方であれば馴染みやすいと思います。
リスニングとしては難しいですが、専門用語が少なく、(スラングを除き)単語のレベルはそこまで高くないので、中級以上の英語力がある方には、ぜひ挑戦していただたいです。
本気の荒いオーストラリア英語に慣れるまで、わたしはまだまだ時間がかかりそうです…。
視聴方法
アメリカやイギリスのドラマに比べて、残念ながら『Wentworth/ウェントワース女子刑務所』を視聴する方法は限られています。
DVD/BD
国内版DVD
- シーズン1のみ
- 吹替あり/日本語字幕あり/英語字幕なし
角川書店より、シーズン1のみDVDが販売されています。(Blu-rayは発売されていません。)日本語吹き替えと字幕がありますが、残念ながら英語字幕はありません。
1シーズン分だけスクリプトを使ってじっくり取り組みたいという方にはぴったりだと思います。わたしの場合、まずは試しに見てみたかったので、最初はこちらのDVDを購入しました。
シーズン2以降もDVD化希望!(英語字幕付きで!!)
オーストラリア版DVD/BD
- シーズン1~6
- 日本語字幕なし/シーズン2~6のみ英語字幕あり
こちらはオーストラリアで販売されているDVD/BDです。英語上級者の方でリージョンフリーのプレーヤーをお持ちの方は選択肢に入れてもいいともいます。
DVDもBDも、シーズン1のみ英語字幕がありませんので、学習する際はスクリプトが必要です。ご注意ください。
難点は値段が高いこと。日本で全シーズン揃えようとするとかなりの金額になってしまいます。
オーストラリアでは安価に手に入ります。わたしは、オーストラリアに遊びに行った際に、シーズン2,3,4を合わせて40豪ドルで買いました。
動画配信サービス
Hulu
- シーズン1~5(シーズン6配信開始予定)
- 吹替あり/日本語字幕あり/英語字幕あり
現在Wentworthが全シーズン国内で見られるのはHuluだけなんです!最新のシーズン6も2019年初春に配信開始予定です。
なんとシーズン1から英語字幕も付いているので、スクリプトを用意する必要もありません。このドラマを見るには現時点でHuluが最強ですね。
2週間は無料で試せるので、どんなドラマなのか気になるという方は、ぜひ覗いてみてください。シーズン1は全10回なので、一日1話のペースで見れば、無料トライアル期間内にシーズン1を見終えることができますよ。
Huluの無料トライアルはこちらからご登録可能です。
FOD
- シーズン1~3(シーズン6配信開始予定)
- 吹替あり/日本語字幕あり/英語字幕なし
2018年春にフジテレビで放送されたこともあり、シーズン1~3まではFODでも配信されています。こちらは残念ながら英語字幕はありません。
スクリプトは必要になりますが、日本のドラマも楽しみたいという方には、FODがおススメです。
こちらは一か月無料で試せるという太っ腹。平日に1本、休日に2本のペースで見れば、シーズン3まで一通り見ることも可能です。
FODの無料トライアルはこちらから申し込み可能です。
『Wentworth/ウェントワース女子刑務所』で英語学習のおススメポイントまとめ
- 貴重なオーストラリア英語のシャワーを浴びられる
- 俳優陣がとても魅力的
- 目の離せないスリリングなストーリー
日本人には馴染みが薄く、試験で苦戦しがちなオーストラリア英語。ぜひ一緒に『Wentworth/ウェントワース女子刑務所』で楽しく学びましょう♪
Today's proverb
Stoop to conquer.:負けるが勝ち