『ここで差がつく!英文ライティングの技術』で英作文のレベルを上げよう!【英作文の救世主】

こんにちは。

英語の4技能と言えば、リーディング、リスニング、ライティング、スピーキング。その4技能をバランス良く伸ばすのが英語学習の理想ですよね。しかもそれぞれの能力は相互に影響し合うので、4技能のバランスは、効率よく英語力を伸ばす秘訣でもあります。

しかし、そうは言ってもなかなか理想通りにはいかないもの。それぞれに好みや向き不向きがありますし、生活環境によってもそれぞれの学習にかけられる時間の比率は変わってきます。そもそも限られた目的で英語学習を続けている方にとっては、特定の能力だけが伸びれば満足という場合もあると思います。

私の場合、4技能の中で一番苦手としているのがライティングです。日本語の作文でも添削を受けたことがないので、文章をブラッシュアップするということが良く分かりませんし、同じアウトプット技能なら、スピーキングの方が短い時間でたくさん英語を使えます。そんな思いでライティング学習を避け続けていた結果、英検受験で壁にぶつかりました。とりあえず、模範解答をいくつも読み、たくさん書き、模範解答と見比べるという力業で準1級と1級を切り抜けたのですが、結局英語を書くということに対する自信のなさを克服できないままでいます。

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自分の英作文と模範解答が全く違うことは分かるのですが、何が違うのかが具体的に分からないのです。

そんな時に出会った本が、本日ご紹介する『ここで差がつく!英文ライティングの技術 英語はIではじめるな!』です。一通り読んでみて、英作文に関して視界が開けた感覚を味わうことができました。私と同じように、英作文に困っている方に全力でオススメしたい!!

ということで今回は、『ここで差がつく!英文ライティングの技術 英語はIではじめるな!』をご紹介します。

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『ここで差がつく!英文ライティングの技術 英語はIではじめるな!』とは

この本は、英検などの英語資格試験や大学入試など、英文ライティングの能力が必要となる各種試験において、スコアアップにつなげるコツが、とても分かりやすく親しみやすい構成で書かれた参考書です。

著者の鈴木健士氏は、英語講師・通訳者・翻訳者として活躍されている方です。

千葉県生まれ。英国バース大学大学院修了。トフルゼミナール英語科講師・通訳者・翻訳者。2002年FIFAワールドカップや2005年愛知万博などの国際イベントの通訳・翻訳の他、宇宙航空研究開発機構(JAXA)などのウェブサイト、NHK WORLDなどのテレビ番組の英訳を行うなど、「ランゲージサービスプロバイダー」として幅広い分野で活躍中。訳書に『オバマ勝利の演説』(中経出版)、『英語で聴く世界を変えた感動の名スピーチ(KADOKAWA)等、共著書に『TOEFL テストここで差がつく頻出英単語まるわかり』(KADOKAWA)がある。

Amazonの著者紹介より

このように華々しい経歴をお持ちなのですが、私のような一学習者ともTwitterで交流してくださる、とても気さくな方です。

英検1級合格後、どうしても拭えない英作文への苦手意識に悩んでいた頃に、この本をお勧めするツイートを発見し、購入に踏み切りました。ライティングに関しては、半ば諦めに近い感情と劣等感を抱いていた私ですが、この本を読んだことで、評価される英作文とはどういうものなのかが良く分かりました!

出版不況と言われる今日この頃ですが、この本は好評を呼び、なんと増刷が決まったそうです!一時期Amazonで品切れが続いていたのを見かけたので、今とっても売れているライティング本なんだと思います。

ちなみに鈴木健士先生(すったけ先生)はYouTubeでも英語に関する情報を発信されています。

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本の構成

この本の一番の特長が、学習しやすい構成です。何も考えずに本の頭から進めていけば、知識の吸収からエクササイズ、復習までできて、しっかり学べるようになっています。

Chapter 1 英語らしい英語を書くテクニック37

まずは英文をブラッシュアップするための知識を学びます。

英文ライティングで高得点を目指すためのコツとして、「繰り返し表現を避ける」というというテクニックを聞いたことがあるかと思います。しかし、単語やフレーズ単位でのパラフレーズはできても、文の構造から変えるにはどうしたらいいのか分からないという方も多いのではないでしょうか。

私もその一人でした。

同じような英文の繰り返しから、表現の幅を広げて生き生きとした英文に生まれ変わらせるための基本テクニックが、37のレッスンにまとめられています。1レッスン2ページでサクサク進められる上に、章末には復習のエクササイズ付き。

同じ本を繰り返しやり込むのが苦手な方でも、ちゃんと復習できる作りになっているのは、学習者としてありがたいですよね。

Chapter 2 英文エッセイのリライト・ゼミ

Chapter 2は講義形式のパートです。Chapter 1で学んだことを、実際の英文リライトの過程で確認していきます。先生と生徒のディスカッションになっているので、非常に読みやすい上、知識だけでなく”思考の過程”まで学べるようになっています。

まるで自分も生徒の一人になったかのような感覚で読みすすめられるのが楽しいです。

さらに、実際にリライトしてみるエクササイズが2題用意されています。2題といっても、エッセイ2本なのでなかなかの分量です。ここまでテンポ良く進めてきた方も、”頭で分かっていることと、実際にできることとは別”ということを思い知らされると思います。しかしその体験がさらに、英文リライトの力を引き上げてくれるのです。

本当に学習者のことを知り尽くした上で練られた構成だと思います。

Chapter 3 ライティングのための文法

次は文法の章です。英作文で高得点を目指すには、文法ミスによる失点を防ぐことも大切です。しかし、一通り文法項目を知っていても、なかなか「この英文に文法の間違いはありません!」と自信を持つのは難しいのではないでしょうか?また、時間制限のある試験においては、じっくり見直しする時間がありませんので、間違えやすいポイントを知り、チェック項目を絞り込んでおくことも大切です。

Chapter 3では、日本人学習者が苦手とする文法項目がイラスト付きで解説されています。小難しい文法をイメージで捉えられるので、文法に苦手意識を持つ方でも抵抗感なく取り組むことができます。さらに章末のエクササイズもあるので、単なる知識で終わらせず、実践力にまで高められます。

本当にありがたいですね。

Chapter 4 重要類義語

ここまでで、英文の構造やいくつかのパラフレーズはできるようになっていると思いますが、単語レベルの言い換え表現のストックはあまり増えていません。

そこで登場するChapter 4には、ライティングに頻出の「good」「bad」「many」「important」などの単語の類義語が分かりやすくまとめられています。英文の表現を広げるためのネタ帳みたいなパートですね。

この章の情報を参考に、自分なりのネタ帳を作ってみるのも良さそうですね。

Chapter 5 英語表現アドバイスA to Z

最後の章は総復習です。これまでのChapter 1-4のポイントが、アルファベット順に簡潔にまとめてあります。Chapter 4までで満足させないところに、すったけ先生の気合が感じられます。どんな本も1回読んだだけで簡単には身に付かないですからね。

読んでみて「あれ?」と思ったところは、戻って復習することをお勧めします。

また、このA to Zの目線で自分の英文エッセイを見直せば、得点アップのための改善点が見つかるはずです。試験の前に自分自身で英文添削とリライトをしてみると、英作文が確実にレベルアップするはずです。 

本書の魅力

この本の魅力は、とにかく分かりやすいことです!

「英語は「 I 」ではじめるな!」という副題にドキッとした方も多いかと思いますが、自分の意見を述べようとすると、英文を「I」で始めたくなるんですよね。また、すったけ先生も指摘されているように、「so」「There + be動詞」「can」を多用してしまいがちです。しかし、ワンパターンであるものの文法的に間違いがあるわけではないので、「一体どこを修正したらいいのか分からない」という状況に陥ってしまいます。

このワンパターンな表現が、一般的な英作文と模範解答の違いなんですよね。

何が違うのかだけでなく、それをどう修正したらいいのかまでが自然と身に付くように構成されているのが、この本の大きな魅力です。試験対策本というと、教科書のような固い文面とレイアウトの本が多いのですが、この本はまるで講義を受けているような感じで読み進めていくことができるので、気楽に取り組めます。そして、だんだんと英文を見る目線が変わっていることに気が付くと思います。

学習者だけでなく、英作文を指導する立場にいる方にとっても学びの多い本なのではないでしょうか。

さらに、ライティングの技術はそのままスピーキングの技術にも応用できます。この本で学んだことを生かせば、きっとスピーチの表現の幅も広がるはずです。

まとめ

英作文の参考書として、今人気を集めている『ここで差がつく!英文ライティングの技術 英語はIではじめるな!』。実際に手に取って読んでいただけば、非常に親切に書かれた本だということが分かると思います。

最近の教育現場は分かりませんが、昔は英作文を学校で学ぶ機会がなかったので、私のように「そもそも英文エッセイの書き方が良く分からない」と感じている英語学習者の方がたくさんいらっしゃると思います。その一方、英検では英作文を得点源にするのが合格の秘訣とされており、英作文の指導を受けて”ライティング一発逆転合格”を実現する方たちもたくさんいます。そのため私のように「とにかくいっぱい書く」というような方法では、高得点どころか平均点にも届かないという事態が起こります。

英作文の添削サービスはたくさんあるので、それを利用するのも一つの方法だと思いますが、まずは、本日ご紹介した『ここで差がつく!英文ライティングの技術』で凡庸な英作文を脱出する方法を学ぶのがおススメです。

ここで差がつく! 英文ライティングの技術---英語は「I」ではじめるな

ここで差がつく! 英文ライティングの技術---英語は「I」ではじめるな

  • 作者:鈴木健士
  • 発売日: 2018/03/29
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

その上で添削サービスを利用して客観的に英文を評価してもらうと、さらなるブラッシュアップが見込めます。

私が学習アドバイザーを担当しているInspire Englishの英検®集中対策コースでも英作文の添削を行っております。(オーストラリア人ネイティブ講師による添削指導です』

興味のある方はぜひご連絡ください!

school.inspire-english.net

そもそも、論理的な英文の書き方から学びたいという方には、『英語でロジカル・シンキング』がおすすめです。 

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Today's proverb

Where there’s a will there’s a way.:精神一到何事か成らざらん