『自由英作文の合格教室』で英文エッセイの基礎を固めよう!【英検のライティング対策にもおすすめ】

こんにちは。

英語の4技能(リーディング、リスニング、ライティング、スピーキング)の中でも、ついつい手薄になってしまいがちなのがライティングではないでしょうか?格安の英会話レッスンに無料で使える学習ツールと、日々気軽に英語に読んだり聞いたり話したり環境は整っているものの、いざ英文を書こうとすると何を書いたらいいのか途方に暮れてしまいますよね。そしていざ書かねばならない状況に立たされた時に焦り出す…。

わたしも最近になってようやく英語日記を書くことを習慣化できてきました。

www.inspire-english.net

しかし英検の一次試験では、英作文で高得点を取るための”テンプレート”を指導するスクールも多い為、ライティングセクションを得点源にするという合格戦略が広まっています。

わたしがそのことに気付いたのは英検準1級に合格した時でした。合格者平均の得点の高さに驚き、そこでようやくライティングの型を学ぶことの大切さが身に染みたのです。

ところが、英検1級を受験する時になっても最適な教材が分からず、結局英検の英作文対策本を参考に見様見真似で書きなぐり続けて、何とか平均レベルまで到達したのは以下の記事の通り。www.inspire-english.net

その後、Inspire Englishの学習アドバイザーとして英検準1級/1級を受験される方にもアドバイスをしているのですが、そこで痛感しているのがライティングの構成を身に付けることの大事さと難しさです。日本語的な発想で書いてしまうと、英文エッセイとしては支離滅裂で結局何を言いたいのか分からない文章になってしまう危険性があるのです。そして英検ライティングの対策本は、"どう書くか"よりも"何を書くか"に注力しているものが多く、その構成は膨大なサンプルエッセイから自力で学び取る必要があります。

そこで英文エッセイの基本を叩き込むにはまず、型を学ぶのが1番!しかも自分オリジナルの型を独学で作れる教材が登場したのです。それが『自由英作文の合格教室』です。縁あってわたしAzusaも制作に関わらせていただき、学習しやすさに徹底的に拘りました!

前置きが長くなってしまいましたが、今回は『大学入試 基本の「型」がしっかり身につく 自由英作文の合格教室』をご紹介します。

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『自由英作文の合格教室』とは

『自由英作文の合格教室』の正式名称は『大学入試 基本の「型」がしっかり身につく 自由英作文の合格教室』。タイトル通り、大学受験を控えた学生向けの学参本というカテゴリーに入ります。

書店で探す際は、学生向けの教材の棚を見てみてくださいね。

とはいえ、この本が想定している大学受験で求められる自由英作文は、与えられたトピックに対して自分の意見を述べるという形式のもの。つまり、英検と同じなんです!

著者である鈴木健士先生は、通訳翻訳者と予備校講師の2つの肩書きを持つお方。中〜上級者向けのライティング対策本『ここで差がつく! 英文ライティングの技術』がベストセラーになっているので、ご存知の方も多いのではないでしょうか。

わたしも何度も読み返して愛用している教材です。

こちらの『ここで差がつく! 英文ライティングの技術』は、英作文がある程度書ける人がブラッシュアップするための本。「そもそも書き方が分からない」「なかなか点が取れない」「添削を受けると根本的に書き直しになってしまう」といった方にはレベルが高いのです。

そこで、登場したのがこの『自由英作文の合格教室』です。「英文エッセイの構造を基本から学びたい!」「試験本番でもブレない方法を知りたい!」といった要望に応えてくれる、新たな英作文対策本です。

本の構成

この教材は以下の10章で構成されています。

Lesson1  流れは「抽象」から「具体」へ
Lesson2  主張→理由の「因果関係」を明確に
Lesson3  ポジティブな意見を展開する
Lesson4  自分のポジティブテンプレートを作ろう
Lesson5  ネガティブな意見を展開する
Lesson6  自分のネガティブテンプレートを作ろう
Lesson7  実践演習にチャレンジ その1
Lesson8  実践演習にチャレンジ その2
Lesson9  実践演習にチャレンジ その3
Lesson10 総仕上げのレッスン

各章にLessonとついているように、授業の形式で書かれています。しかも講義ではなく、インタラクティブなレッスン!先生+4人の生徒の5人の掛け合いでレッスンが進んでいきます。読者の疑問はこの本に登場する生徒たちが代弁してくれます。また、大事なポイントは先生と生徒のやり取りの中で繰り返し出てきますので、意識せずとも記憶に残るようになっています。

事前に原稿を読ませていただいて、生徒の目線で疑問に感じる点はとことん指摘させてもらいました。

各レッスンに掛かる時間が一定ではないので10時間で完成とはいきませんが、この10レッスンでライティング力が初級から中級以上に飛躍的に伸びるはずです。

帯には"英検準1級・2級に効果大!"と書かれていますが、合格ラインという観点なら英検1級にも対応できるのではないかと思います。

まずはLesson1&2をしっかり読んでください。この2章にエッセイライティングで絶対に外してはいけない大事なことがぎゅっと詰まっています。生徒の視点から失敗してしまう過程が分かりやすく再現され、その対処法も具体的に示されているので、すんなり頭に入ってくるはず。

短めの章なので、自分の弱い部分だと感じた時は焦って先に進まず、完全に理解できるまで読み返すことをおすすめします。

Lesson3-6からは実践編です。説得力のある英作文を書くための自分オリジナルテンプレートを作っていきます。

誰かが作ったものを丸暗記するのではなく、好みの表現を選べるのって嬉しいですよね。

最後にLesson7-10は仕上げのレッスン。作ったオリジナルテンプレートを使って、実際に英作文してみます。

この一冊を終える時には、伝わる英作文が無理なく書けるようになっていることに驚くはずです。

鈴木先生の指導経験から、教材全体に"やりがちな間違いと対処法"が散りばめられているので、生徒の1人になったつもりで取り組むと、エッセイが書けるようになるだけでなく、自分で添削する力も付いてきますよ。

この教材の特長

今までなかった画期的な英作文対策本である『自由英作文の合格教室』には、こんな特長があります!

伝わる英語が身につく

英語が通じない要因は様々ですが、エッセイの添削をしている先生方から良く聞くのは「トピックに答えられていない」という声です。言いたいことを英語にできる力と、言いたいことが伝わる英文を構成できることとは別の能力なのです。

特に、日本語的な起承転結で話を展開してしまうと支離滅裂になってしまう、というのが、英文エッセイの難しいところ。さらに、多くを語らず読み手に想像の余地を残したり、日本人同士もしくは日本国内だけで通じる情報を省いてしまったりと、言葉足らずになってしまうという問題も良く起きます。

そしてそれは、他者から指摘されないとなかなか気付かないものなんですよね。

この『自由英作文の英作文』は、論理的な展開とは何かを易しく解説した上で、絶対に脱線しないためのテンプレートを作るので、確実に伝わる英語がすらすらと書けるようになりますよ。

独学にぴったりなレッスン形式

この本は全て、まるで台本のように生徒役も登場して展開するレッスン形式。鈴木先生の数多くの指導経験から、多くの学習者が感じているであろう疑問や悩みは、本の中の生徒が代弁してくれる構成になっています。

そのため、つまずきがちなポイントはその都度解消されていく、常に痒い所に手が届くレッスンになっています。

生徒の1人になったつもりで、一緒にテンプレートを作ったり、英作文を書いたりと主体的に学べば、ライティング対策講座を受講するのに近い力が付くはずです。

また、英作文を教えている指導者にもおすすめ。鈴木先生の授業が再現されているので、ライティングの指導法を学ぶことができるんです。

他の先生のレッスンを見学できる機会ってなかなかないですもんね。

実践にこだわった指導法

学べることの多い良書でも、書かれていることを咀嚼して、自分のライティング力に生かせるようになるまでには時間がかかることも多いですよね。

でもこの『自由英作文の合格教室』は実践的であることに拘って書かれています。しかも、英語が苦手な人から得意な人まで、各々のレベルに合わせた英作文ができるようになっています。

この一冊にちゃんと取り組めば、すぐに英作文を書く力が上がると言っても過言ではないと思います。

徹底したネイティブチェック

魔法のようにすらすら書けるようになる英作文の型が作れるので、「不自然な英語にならないのかな?」と不安に感じる方もいるかもしれません。

しかし心配ご無用です。なんと、英米豪のネイティブ9人が英文をチェックしています。(奥付に載っている英文校閲は2名ですが、鈴木先生が個人的に確認をしてもらったそう。)誰かが少しでも引っ掛かる箇所があれば、より良い表現に差し替えています。

イギリスやアメリカなど、ひとつの国に偏っていないというのもすごいことですよね。

英文校閲の筆頭は、毎日の英速読/英文法/英単語、シンプルな英語で話すシリーズなどでも人気の早稲田大学名誉教授、ジェームス・M・バーダマン先生

また、わたしがアドバイザーをしているInspire Englishの講師のTakaも、英文校閲として参加しています。

鈴木先生とTakaのメールのやり取りを見ていましたが、細部への拘りがすごかったです。

英作文の基本を学ぶ参考書として、英文の型を安心して吸収できますよ。

スピーキングへの応用

このブログを読んでいただいている方の中には、英検を受験される方も多いと思いますが、この『自由英作文の合格教室』は、英検のスピーキング試験にも生きてきます!

というのも、英検2級以上の二次試験では、社会性のある話題について自分の意見を英語で話す力が必要になります。一次試験のライティングパートであれば紙に向かってじっくり考え、時には書き直しもしながら完成することができますが、スピーキングは即興です。そのために、英作文が得意な方でも、スピーキングは支離滅裂になってしまうという現象が起きてしまいます。説得力のある話し方ができる力というのは、ライティングと同様、思ったことをそのまま英語にできる能力とは別物なんですよね。

そんな時にこの本で、主張・理由・具体例・まとめという、いわゆるPREP法に沿った流れの型を叩き込めば、思いつくままに話して結局何が言いたいのか分からなくなってしまう、といった失敗が避けられるはずです。

英検1級に挑戦する上級者でも苦しむところなので、しっかり身につけておくと、後が楽になりますよ。

組み合わせておすすめしたい教材

基本の型と言いつつこれ一冊でかなりの範囲の試験をカバーできると思いますが、「もうひとつ上のレベルにステップアップしたい」「自由度を上げても書けるようになりたい」といった欲がでてくることもあるかと思います。そんな時に組み合わせて使えるおすすめの教材をご紹介します。

各教材の詳細はリンクの記事をご覧ください。

英作文トレーニングドリルTransform

こちらも高校生向けの学参本。英作文を日→英で英文を作るところからしっかり学べる本です。テンプレートを応用しようとしたらぐちゃぐちゃになってしまった…といった失敗が起きないように、こちらでみっちりトレーニングしてみてください。予備校講師かつ翻訳者(英訳)としても活躍されている土岐田先生が、英文を紡ぎ出すコツを分かりやすく解説してくれています。

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英語でロジカル・シンキング

"どう書くか"は分かったけれど、"何を書くか"についてもっと深く学びたいという方におすすめなのがこちら。英語で論理的にに書く・話すための思考力を鍛えてくれる一冊です。「抽象」から「具体」へのハシゴの途中で思考が止まってしまうという方や、そもそも理由が思いつかないという方は、こちらを読んでみると発想の広げ方が分かるようになりますよ。

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ここで差がつく!英文ライティングの技術

同じ鈴木健士先生による、中級〜上級者向けのライティング対策本です。SNSを中心に火がつき、ハイレベルな学習者や指導者の支持を集めてベストセラーになっていますね。『自由英作文の合格教室』で型通りに書いたエッセイを、さらにブラッシュアップしたい方におすすめです。こちらも一部本書と同じようにレッスン形式になっているので、実践的に学ぶことができます。

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アメリカ人教授に学ぶ 英文ライティングのメタモルフォーゼ

こちらも同じく鈴木健士先生によるライティングの参考書です。洗練された英文を書けるようになるために何に気を付ければいいのか、さらに、日頃触れる英文からどのようにエッセンスを吸収すればいいのかを学ぶことができます。

『自由英作文の合格教室』で英作文の基礎を固め、『ここで差がつく!英文ライティングの技術』で英文のブラッシュアップのコツを学んだら、ぜひこの本に挑戦してみてください。英文を書くことがさらに楽しくなるはずです!

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まとめ

今回は、英作文対策本の新定番『大学入試 基本の「型」がしっかり身につく 自由英作文の合格教室』をご紹介しました。わたしが初めて教材制作に関わった本なので個人的な思い入れも大きいのですが、客観的に見ても、学習者の強い味方になってくれる画期的な教材だと思います。

学生向けの教材だからと、大人の学習者が見逃してしまうのはもったいない!

Inspire Englishの英検®︎集中対策コースで学習アドバイザーをしていますが、ご受講前にこの本に取り組んでいただいたら、レッスンの回数が半分で済んでしまうのではないかなと感じています。また、表現力を高めるための指導に力を入れられるので、レッスンのご受講をより有意義な時間とお金の使い方にしていただけるのではないかなと。

書店にお立ち寄りの際は、ぜひ学参本コーナーで『自由英作文の合格教室』を探してみてくださいね。

わたしAzusaもまえがきに名前を載せていただいています。そちらもチェックしていただけたら嬉しいです。

Today's proverb

Hope for the best, but prepare for the worst.:備えああれば憂いなし