こんにちは。
突然ですが皆さん、英文ライティングに自信がありますか?
私は全くありませんでした!!少なくとも英検を受けた直後までは。
英検準1級のライティングは、ネットで調べた情報(I think that〜でイントロ、First, Second,でボディ、In conclusionでコンクルージョンを始める)だけを武器にほぼ丸腰で試験に挑み、合格者平均を大きく下回るスコアを叩き出しましたし、英検1級の時は『英作文問題完全制覇』を参考に、とにかく毎日1題エッセイを書きなぐるという力技で、何とか合格ラインに達しました。
結果的に、英文ライティングの何たるかはよく分からないまま、辛うじてエッセイらしきものを書いたという不確かな手応えとともに、”英検1級/準1級ホルダー”を名乗っていました。
その後、Inspire Englishという英会話スクールの学習アドバイザーとして、英検®︎集中対策コース(準1級/1級)の受講生の方に学習法を指南する立場になり、「とにかく書け!」としか言えないのは流石にまずいという危機感から、ライティング対策本を使って勉強を始めました。
過去にもいくつかライティング対策になる本をご紹介してきましたが、今日は英文ライティングを基本からしっかり身につけられる『英作文トレーニングドリルTransform』をご紹介します。
『英作文トレーニングドリルTransform』とは
"日本語をTransformして『変形文』をつくれば、誰だって英作文はできる!"という力強いメッセージが込められた『英作文トレーニングドリルTransform』は、英語らしい英文を書くための技術を身に付けられる本です。
東進ハイスクール、東進衛星予備校などで講師をされている土岐田先生のご著者で、学参の位置付けの本ではありますが、日本語から英語への発想の転換(Transform)に始まり、英文エッセイの書き方から学べる優れものですので、英検などの英語の資格試験を受ける学習者の方にもピッタリです。
目を引く表紙デザインは、このTransformを描いているんですよね。
本書の構成
この本は以下の構成になっています。
第1部 和文英訳編
- 第1章 型でTransformする
- 第2章 概念をTransformする①
- 第3章 概念をTransformする②
- 第4章 仮説を見抜く
- 第5章 関係を見抜く
第2部 自由英作文編
- 第6章 PREPをマスターする
- 第7章 GBRPEPをマスターする
- 第8章 新傾向をマスターする
巻末資料:英作文のアキレス腱チェックリスト
巻末資料:PREPをつくるおススメ英語表現
まずは短文で英語らしいセンテンスを作る練習をし、最終的にエッセイが書けるようになるまで、丁寧な解説と豊富なトレーニングで導いてくれます。
そもそも英語と日本語は全く異なる言語です。アメリカ国務省の機関であるFSIがまとめたデータによると、英語話者にとって日本語は習得の難易度が最も高いグループに入っており、言語間の距離が非常に遠い(違いが大きい)とされています。逆に、日本語話者にとっても英語を習得することは難しいのですが、この距離を越えるためには、英語らしい文章に発想を転換していく必要があります。
かといってある日突然ガラリと変えられるわけではありません。この本をコツコツ順番に進めていくうちにしっかり身に付いていきますよ。
大人の学習者の方の中には”和文英訳”に抵抗感を感じる方もいらっしゃるかもしれません。”効果的な英語習得のためには、日本語を介さないように”と言われたりしますからね。確かにそれは理想形のひとつなのかもしれませんが、段階をすっ飛ばしていきなりたどり着くことはできません。
“日本語から英語に変換するために、まずは日本語を変形して考える”というこの本の進め方は、遠回りではなくむしろ英語への近道を示してくれるはずです。
おすすめポイント
この本の最大の特長は、真面目なことを易しく、柔らかい語り口でていねいに説明してくれていることです。表紙のデザインからも伝わる様に、小難しい解説はありません。
英語に対する苦手意識のあった人が、いつのまにか英語脳を持った人に変身できそうな作りです。
分厚い本ではないので手に取りやすいですし、土岐田先生の知識と経験に基づいて、簡潔で分かりやすい説明がなされているので、すらすらと読み進めることができます。しかもドリルが多いので、ライティング力をしっかり身に付けていくことができます。
かと言って、ライトな学習者向きかというと、そうではありません。学べることは本格的なんです!そのため、英検の上位級や、各種英語試験のライティングで高得点を目指す方の土台固めにぴったりです。
試験のライティング対策本では、ある程度英文を書ける人が採点で求められるポイントをクリアできるようになるための構成になっていることが多いですが、この本であれば英語らしい英文を書くコツがしっかり学べますよ。
さらに個人的に感動したのは、巻末の英作文チェックリストです。自分で書いたエッセイを毎度添削してもらおうとすると出費が嵩みます。しかも、試験本番では自分で校正できる力が欲しいところ。
そんな時にとっても役に立つのがこのチェックリストなんです!
英作文を添削する上で大事なポイントがスッキリまとまっているチェックリストなので、この観点を元に客観的に見直す練習をすれば、試験本番でもより良いエッセイに仕上げることができるはずです。
さらに、英作文で役に立つフレーズ集も付属。この辺りの表現をすっと使えるようになると、スピーキングも含めた発信力が上がります。
独学のための教材として、至れり尽くせりですね!
さらにエッセイをブラッシュアップしたい方に
この『英作文トレーニングドリルTransform』で英作文の基本を学んだら、きっと「もっとカッコイイ英文を書けるようになりたい!」という欲が出てくるはず。
そんな時には、以前このブログでもご紹介した、『ここで差がつく!英文ライティングの技術』がおすすめです。SNSなどで人気が広がり、人気のライティング本となっている教材ですが、英文エッセイをブラッシュアップする秘策が詰め込まれています。
英作文を基礎から学習したい方は、『英作文トレーニングドリルTransform』→『ここで差がつく!英文ライティングの技術』の流れで学習されると、自信を持って試験に挑めるようになるはずです。
これ、英作文を学ぶのに最強の組み合わせだと思います!
さらに英文のレベルアップを図りたい方には、『アメリカ人教授に学ぶ 英文ライティングのメタモルフォーゼ』もおすすめです。英語らしい発想で英文を紡ぎだすにはどうしたらいいのか、その秘訣を学ぶことができますよ。
論理的な思考を身に付けたい方に
「そもそも自分の意見がない!」「意見をどうまとめたら良いのか分からない!」「理由と具体例って何が違うのか分からなくなってきた…」といった悩みをお持ちの方、結構多いのではないでしょうか?
英検対策レッスンで学習アドバイスをしていても、「日本語であっても何を書いたらいいのか分からない」という相談を受けることがよくあります。
そんな方におすすめなのは、『英語でロジカル・シンキング』です。自分の意見を論理的に伝えるための思考法をやさしく学べます。
試験で求められる、論理性、首尾一貫性を身につけ、説得力のあるエッセイを目指しましょう!
まとめ
英検1級合格後、ライティングのスキルが資格に見合っていないことがコンプレックスとなっていた私ですが、『英作文トレーニングドリルTransform』や他にご紹介した書籍のお陰で、だいぶ感覚が掴めてきました!
そもそも学参本のカテゴリーであるこの本を手にしたのは、森田鉄也先生主催の英語講師オーディションにInspire EnglishのTakaが出場した際、土岐田先生が審査員として参加されていたことがきっかけです。本戦に出場した講師ひとりひとりに丁寧なレビューを送ってくださる姿に、「この先生の本なら、英作文への苦手意識を優しく取り払ってくれるかもしれない!」と思い、読み始めました。
お陰で英文を書くことに俄然興味が湧き、英語日記をつけることが日課になっています。
もちろん、より良い英文を書けるようになるためには、ネイティブチェックを受けることも大事です。と同時に、自己添削できる力をつけていくことも大切だと感じています。
ライティング力強化のお供に、『英作文トレーニングドリルTransform』をぜひ使ってみてくださいね。
Today's proverb
A journey of a thousand miles begins with a single step. :千里の道も一歩から