こんにちは。
英会話スクールと一緒に開催している勉強会&情報交換会で、ビギナーの方からの多くいただく質問は、「TOEICで600点を取るにはどうしたらいいですか?」ということです。日本人のTOEICスコアの平均は500点台ですから、600点は最初の目標になりますよね。
色んな方とお話ししてまとめたTOEIC L&R 600点を突破する秘訣をご紹介します。
TOEIC L&R スコア600点ってどんなレベル?
そもそもTOEICとは、
The Test of English for International Communication®(TOEIC) is "an English language test designed specifically to measure the everyday English skills of people working in an international environment."
だそうです(Wikipediaより)。国際的な職場環境で日常使う英語能力を測るテストですね。
で、TOEICスコアで600点とはどのくらいの英語力を指すのかというと、CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)でB1、英検2級、いわゆる初中級にあたります。英語で基本的なやりとりができるとされるレベルです。そのため、多くの企業で昇進や採用の条件とされ、就職活動でもアピールになると言われています。
また、日本人の平均TOEICスコアは500点台です。600点を取れば、平均より高い英語力を持っているという証明になります。
L&Rだけでは英語力は測れないとか、TOEICはテクニックで点数が取れるから意味がないと言われますが、日本の多くの企業がTOEIC L&Rを英語力の指標としている以上、受けておいて損はないと思います。
TOEIC L&R で600点を突破するための秘訣
受験の目的を明確にしよう
ではそのTOEICで600点取りたい場合、何から始めたらいいのでしょうか。
まず必要なのは、受験する目的を明確にするということだと思います。ここをはっきりさせないと、その後勉強する際に気持ちがブレます。一度ブレてしまうと、あちこちの教材に手を付けて、結局あまり身につかなかったり、最悪の場合、たくさん教材を買い込んで、買っただけで満足してしまうことも。
目的と同時に、600点達成の目標時期も決めておきましょう。でないといつまでも誘惑に負けて勉強が始められません。
先に申し込んでしまってから、勉強を始めるのもアリだと思います。
覚悟を決めよう
次に、覚悟を決めましょう。TOEICを受けると決めたら、TOEICに向けた勉強を始めるのです。
「でもTOEICだけ点数が取れても、英語が使えるようにはならないし…」「実力で勝負したいからテスト対策はちょっと…」という声も聞かれます。その心がけは素晴らしいです。でもその高潔な向上心は一旦捨てましょう!
TOEICの世界は入試と同じく戦場です。「希望の企業に勤めたい」「海外駐在したい」「昇進したい」など、切実な思いでスコアアップを目指している方がたくさんいます。その思いに応えるように、数え切れないほどの種類の参考書や学習本、問題集が発売され、セミナーやレッスンが開講されているのです。その人たちと同じ土俵で戦わねばなりません。合否ではなくスコア制なので、過去に何度も受験した経験があるという人もゴロゴロいます。その中で”実力勝負”として何の対策もせずに受けるのは、0からどころかマイナスからのスタートになる可能性もあります。
どうせ語学の習得には時間がかかります。TOEICの試験前数ヶ月をTOEIC対策に費やしたからって、英語力に大きな偏りが生まれるわけではありません。
むしろちゃっちゃと目標スコアをとってしまってそれ以降はスパっとTOEICから離れるくらいの方がいいと思います。
敵を知ろう
どんなテストも同じですが、過去問や予想問題などでテストの傾向と対策を知ることが大切です。目標としているスコアが決まっているなら尚更です。
上で述べた通り、TOEIC受験者には何度も受験している猛者たちがたくさんいます。600点、700点、800点、900点、満点と、それぞれの壁を乗り越えようと必死で勉強している人たちと一緒に試験に挑むのですから、経験の足りない部分は先人の知恵を拝借しましょう。
幸いインターネット上にはTOEICに関する情報があふれています。書店に行けば、参考書もたくさんあります。情報収集の質と量は、その後の学習の効果を左右します。
勉強が上手な人は、情報収集も上手だなぁと思う人が多いです。
基礎を固めよう
この600点は、今の日本の英語教育において、高校卒業時に目指すべきレベルと同等です。つまり、高校までの英文法は最低限身に付けておく必要があります。
とは言え、かたっくるしい文法書を一から読むのもしんどいですよね。わたしは、以前もご紹介した『一億人の英文法』がおススメです。
英語話者の感覚による英文法を教えてくれる本です。目から鱗の知識が詰め込まれています。語り口が柔らかいので、大西先生の講義を受けているかのように読めるのもポイントです。
一億人の英文法 ――すべての日本人に贈る「話すため」の英文法(東進ブックス)
- 作者: 大西泰斗,ポール・マクベイ
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600点であれば、文法をドリルで叩き込むようなことは必要ないと思います。お好みの文法書一冊に目を通し、学生時代の記憶を呼び起こしましょう。すっぽり抜けている部分は覚え直してください。
文法を知っておくと、その先のスコアアップもぐっと楽になります!
TOEIC用教材は最低限に絞ろう
これ、すごく大事だと思います。最低限の教材をしっかりやり込むこと。「なかなか600点取れなくて…」という方のお話を聞いていると、正しく英語力を上げたいと意気込むがあまり、あちこちの教材に手を付けてしまい、結局広く浅く勉強しただけになってしまっている方が多いように感じます。
気持ちは分かります!書店に行けば、大きな本棚にぎっしりTOEICの教材があって、どれもこれも効果がありそうに見えてきます。アプリを探せば無料のものから有料のものまでたくさんあります。SNSではこちらの不安や危機感を煽ってくる広告が目につきます。ついつい欲張ってしまいますよね。
しかし、目標スコアが決まっているのですから、それ以上の勉強は必要ありません。600点を確実に取れる教材を使えばいいのです。そこに大事なテクニックも、勉強法も、知識もすべてが詰まっています。
私はこれの古いバージョンを使っていました。
TOEIC L&Rテスト これ1冊で600点はとれる! 改訂版 新形式問題対応 (Obunsha ELT Series)
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これを1冊しっかりやって、最後の簡易模試を受けたところ600点を越えていましたし、その後別の問題集一冊を経て受けたTOEICで855点を取れたので、TOEIC対策の基礎固めとして大いに役に立ってくれたと思います。他にも600点を狙うための問題集はたくさんあります。書店などで中身も確認して、内容やデザイン、読みやすさなどがしっくりくる腰を据えて取り組める一冊を選んでください。
何よりも、どれを選んだにせよ信じることが大切です。その一冊を信じて、頭から最後まで繰り返して使用してください。勉強においても、浮気は禁物です。
但し、本番を想定した練習として別途数回分の模試を解くことも必要です。
とにかく模試を解こう
これも600点がなかなか取れないという方とお話していて感じたことなのですが、模試を解いている数が少ないようです。TOEICはスピード勝負のテストです。どのくらいのペースで問題を解けばいいのかは、身体で覚えるしかありません。時計を見て残りの時間を計算するより、一問でも多く解いた方がいいですからね。
できれば公式問題集など、本番と同じレベルの模試を数回分解いてみてください。
試験本番の気持ちの余裕も変わりますよ。
単語は知っておこう
浮気は禁物と言いましたが、単語に関しては、別途単語帳を一冊やった方がいいです。というのも、TOEICはビジネス英語の運用力を測るテストですので、同じような単語が何度も使用されています。ほかの英語の試験に比べて、単語学習の効果がスコアに反映されやすいのです。
かといって、あまり分厚いものはやる前からしり込みしてしまいますので、質と量の観点から、単語帳は『金のフレーズ』が文句なしにおススメです。
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この本を使う時におススメなのは、目標スコアのひとつ上のレベルまで目を通しておくことです。 語学の試験において、知らない単語がたくさん出てくるというのは非常にストレスがかかります。TOEIC頻出の単語に慣れておくことで、知らない単語にさらされるストレスを軽減できます。
単語も潔く600点レベルだけに絞りたい!という方には、『銀のフレーズ』もあります。
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DUO3.0のように例文でまとめて覚えるタイプの金のセンテンスもお薦めです。
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体力・精神力を養おう
TOEICは体力・精神力勝負です。特に、600点未満のレベルの時は、英語を聞いたり読んだりすると、ものすごく疲れます。2時間ずっと英語に晒され続けるという経験は、日本に住んでいる限りなかなかできませんしね。
それがTOEICでは、二時間もの間ひたすら集中して英語を聞き、時間に追われながら英文を読み続けるわけです。途中で集中力を切らさないためには、英語漬けでいられる体力と精神力が必要です。
また、TOEICはスコア制のテストのため、様々な難易度の問題が含まれています。制限時間に対する問題の数も非常に多く、600点前後のスコアの方は制限時間内に最後までたどり着けません。高難度の問題は分からなくても気にせず先に進む、時間が足りなくても焦らず残りを塗りつぶすといった精神的なタフさも必要です。スコアの計算は複雑なので何問正解したら600取れると決まっているわけではありませんが、6割程度取れれば600点突破と言われています。逆に言えば1/3は間違えても大丈夫なのです!!そもそもマークシートですから、鉛筆を転がしたって2~3割正解できる可能性のあるテストですしね。
欲張るよりも、確実に得点できる問題を落とさないことに力を使いましょう。
以上、TOEIC L&Rスコア600を取るためのコツのご紹介でした。TOEIC第一の壁である600点ですが、着実に学習と対策を重ねれば必ず到達できます!
頑張ってください!!
さらに上を目指す方へ。TOEIC L&Rスコア800と900達成までの道のりはこちらをご覧ください。
また、試験当日必携の持ち物リストはこちら。
Today's proverb
More is not always better.:過ぎたるは及ばざるがごとし