こんにちは。
英語学習に多読が良いとは言われていますが、絵本から始めて、だんだんレベルを上げていくのって、大人には少々退屈ですよね。かといって、いきなり大人向けの本に取り組むのも無理があります。
そこでおすすめしたいのが、ヤングアダルト小説と呼ばれる、ネイティブの10代向けの小説です。
今日は、中級レベルの英語学習者におススメの一冊、洋書多読の定番『Holes』をご紹介します。
Holesとは
『Holes』(邦題:穴 HOLES)は、アメリカの児童文学作家、ルイス・サッカーによるジュブナイル小説(ヤングアダルト作品)です。
1998年に初版が出版され、同年の全米図書賞児童文学部門、1999年にはニューベリー賞を受賞するなど、高い評価を受けています。
2003年、ウォルト・ディズニー・ピクチャーズによって映画化もされました。
あらすじ
あらすじはWikipediaより引用させていただきます。
スタンリー・イェルナッツは、貧乏な家生まれで、大柄の中学生の男の子。この家の者は、何かと不運に見舞われやすく、そんなときは、いつもスタンリーのひいひいじいさんのせいにするのがお決まりになっている。そんなスタンリーは、野球選手のクライド・リヴィングストンが孤児院に寄付した靴一足を盗んだと間違われ、逮捕されてしまう。
その罰として、スタンリーはグリーン・レイク・キャンプに送られる。そこは、名前とは裏腹に、不毛の大地のど真ん中にある少年矯正施設である。スタンリーはそこで、Dテントの仲間たちにだんだんと受け入れられていく。同時に、彼は、指導員のミスター・ペンダンスキーや他の収容生からは頭が空っぽだといって相手にされていない「ゼロ」と呼ばれる少年と親しくなる。
この少年矯正施設で少年たちに与えられている作業は、毎日一つずつ穴を掘ること。それも、シャベルの長さぴったりの径と深さで掘らねばなりません。渇きに耐え、ひたすら穴を掘り続ける彼らですが、なぜそんな課題を与えられているのか。その辺りの謎が、何世代にも渡る長い物語を交えて明かされていきます。
ティーンエイジャー向きの小説なのですが、大人でも充分に楽しめる作品です!
英語のレベル
本書の英語のレベルは、英語学習者には若干高めです。以前ご紹介した『Wonder』より難しく、『Hunger games』と同じくらいですね。
ですので、児童書を卒業した後に読むことをお勧めします。
中級レベルの英語学習者の方(英検2級、TOEIC L&R 700くらい)にぴったりだと思います。準1級くらいの英語力の方であれば、ほとんど辞書を引くことなく読めると思います。
中には英検1級レベルの単語もチラホラ出てきますが、あまり重要でない単語が多いので、こまめに辞書を引かなくても、ストーリーを理解する上でそんなに躓くことはないと思います。
英語学習を意識するよりも、ストーリーを楽しむことが、洋書多読で楽しく英語を身につける秘訣です!
『Holes』のイチ押しポイント
この小説をオススメするポイントは、以下の3つです。
謎解きの面白さ
この小説の一番の謎は、なぜ穴を掘らされているのか?ということ。その謎が解き明かされるまで、少年たちの細かな描写により、まるで目の前に乾いた大地が広がっているかのように、物語に入り込むことができます。謎が解けてきてからも、冒険小説としての面白さが物語を引っ張っていきます。
最初の数章はなかなかストーリーが進まず投げ出してしまいそうになりますが、一度波に乗り始めたら、あっという間に読み終えてしまうくらい、夢中になれるストーリーです。
巧みなプロットと伏線回収
『holes』のメインの舞台は、現代の少年矯正施設です。しかし、たびたび時代の異なるエピソードが挟み込まれてきます。一見関係なさそうないくつかのエピソードですが、だんだんと絡まり合い、最後には1点に収束していきます。この伏線回収が見事なんです!
一筋縄ではいかないストーリー構成ですが、散りばめられていた伏線が綺麗に回収されていくので、読みやすいながらも、読み応え抜群です。
爽やかな読後感
10代の若者向けの小説ということもあり、読み終わった後は、とってもスッキリ。サクサク読み進めていくうちに、ぐいぐい引き込まれ、最後は爽やかな余韻を残してくれる、理想的なヤングアダルト作品だと思います。
長すぎず短すぎない程よいボリュームなので、洋書を読んだ満足感も得られます!
まとめ
洋書多読にオススメの本を検索すると、必ずと言っていいほど挙げられている『Holes』ですが、読んでみてその理由が分かりました。英会話で中級クラスになったあたりで、大人向けの小説に挑戦して挫折したことがあるのですが、その時にこの本を読んでいたら、もっと洋書多読にはまっていたんじゃないかなぁと思います。
大人の英語学習者の方はもちろん、学生の皆さんもぜひ読んでみてください!
- 作者: Louis Sachar
- 出版社/メーカー: Yearling
- 発売日: 2000/05/09
- メディア: ペーパーバック
- 購入: 40人 クリック: 180回
- この商品を含むブログ (89件) を見る
『Holes』には続編もあるんです。はまった方はぜひ読んでみてください!
Stanley Yelnats Survival Guide to Camp Green Lake
- 作者: Louis Sachar
- 出版社/メーカー: Bloomsbury Publishing PLC
- 発売日: 2003/03/17
- メディア: ペーパーバック
- 購入: 1人 クリック: 1回
- この商品を含むブログ (1件) を見る
ストーリーには興味が湧いたけれど、洋書はハードルが高いという方は、先に日本語訳版を読んでから、洋書に挑戦してみるというのもありですよ。
また、洋書多読には、辞書機能が入ってスラスラ読める、しかも洋書がすぐに、お得に買えるKindleペーパーがオススメです。
Today's proverb
Practice makes perfect.:努力に勝る上達方法はない