Collinsが選ぶWord of the year 2018 "single-use"ってどういう意味?【環境問題を語るうえで欠かせない!】

こんにちは。

コウビルド英英辞典でおなじみのイギリスの出版社、Collins(正式にはハーパーコリンズ)が選ぶWord of the year 2018が発表されました。

それは…Single-use!

近年ニュースなどで話題となっているこの新しい言葉について調べてみました。

シドニーフェスティバル TOY MOUNTAIN

The Collins Word of the Yearとは?

Collinsが毎年、時代の潮流を表すような、新しく目立った言葉を選ぶ今年の言葉。日本でも流行語大賞や今年の漢字などがありますよね。無料のオンライン辞典も提供しているCollinsが、その年の話題になった言葉をリストアップし、その中で1番を決めています。

https://www.collinsdictionary.com/woty

Word of the Year 2018:Single-useとは?

ではSingle-useとは何なのでしょうか?

 Collinsのオンライン辞典によると、

made to be used once only

と定義されています。日本語で言うと、使い捨てのことですね。主にプラスチックで作られた、使い捨てされるだけの地球に害のある製品を指します。

近年の環境意識への高まりにより、この言葉がよく使われるようになったようです。この言葉の使用頻度がこれまでの4倍になったとか。特にプラスチックによる環境汚染に対する懸念は急激に高まっており、最近では、大手コーヒーチェーンのスターバックスが2020年までにプラスチックストローを廃止すると発表して話題になりましたね。
www.bbc.com

また、2018年頭ののシドニーフェスティバルの目玉は、日本人アーティスト藤浩志さんのインスタレーション『Jurassic Plastic』でした。

シドニーフェスティバル Jurassic Plastic 1

フェスティバルの公式ホームページによると、

Jurassic Plastic is art for both kids and grown-ups – a fun exercise in creativity and nostalgia, while contemplating mass consumerism. Japanese artist Hiroshi Fuji recycles and reinvents unwanted plastic toys into colourful ‘Toysaurus’ dinosaur sculptures and landscapes.

とのこと。子供から大人まで、大量消費について深く考えながら、創造性とノスタルジーを楽しく育むためのアート作品です。おびただしい数の古い日本のプラスチックのおもちゃは圧巻!オーストラリアで大量の日本の玩具を見ているのは不思議な感覚でした。
シドニーフェスティバル Jurassic Plastic 2
シドニーフェスティバル Jurassic Plastic 3

日本においては、スーパーなどでレジ袋(plastic bag)の有料化が進んでいるものの、未だ過剰包装が続いていますし、地球環境への問題意識は遅れているように感じます。数年前にカナダを旅行した際には、あちこちの飲食店の表に”Sustainable”という言葉が貼り出してありました。これも持続可能な社会に向けての取り組みを表す言葉ですよね。言い換えると、地球環境に優しい取り組みのことです。

この機会に、われわれが住む地球の環境問題について、今一度意識を高めたいと思います。英語を学んでいると、入ってくる情報の幅が広がって、社会勉強にもなるのが嬉しいですね。

その他のショートリスト

Word of the year 2018の候補となったその他の単語もご紹介します。

Backstop

A system that will come into effect if no other arrangement is made.

元はテニスや野球のバックネット、補強や支えの意。他のプランが全滅だった時の最後の砦となるバックアップの意味ですね。

Floss

A dance in which people twist their hips in one direction while swinging their arms in the opposite direction with the fists closed. The dance was made popular by a viral YouTube video featuring a 16-year-old American schoolboy.

フロスダンスと呼ばれる子供たちに大人気のダンス。15歳のアメリカの高校生が踊るこのダンスはSNSなどで瞬く間に話題となったそう。以下の動画で見られますが、確かに真似したくなるようなユニークなダンスですよね。


Meet the Dancing 'Backpack Kid' Who Stole Katy Perry's Spotlight on 'SNL'

Gammon

A person, typically male, middle-aged, and white, with reactionary views, especially one who supports the withdrawal of Britain from the European Union.

元は燻製にしたハムの一種、ごまかしやたわ言の意味で使われる単語。イギリスのEU離脱を支持するなど反動的な考えを持つ、主に白人の男性を指す言葉として使われるそうです。単語の元の意味を考えると、強烈な皮肉ですね。

ちなみに2016年のWord of the yearはイギリスのEU離脱を表す造語、”Brexit”。EU離脱がイギリス国民に与えた衝撃の大きさが伺えますね。

Gaslight

To attempt to manipulate a person by continually presenting them with false information until they doubt their sanity.

心理的虐待の一種で、被害者にわざと誤った情報を提示し、被害者が自身の記憶、知覚、正気を疑うよう仕向ける手法のことだそうです。トランプ大統領に対する批判として使われて話題になりました。

Wikipediaによるとその語源は、映画化もされた演劇作品から来ているとのこと。

この用語は『ガス燈』という舞台劇(1938年、アメリカでは『エンジェル・ストリート』と題された)、およびその映画化作品(1940年、1944年)から来ている。ストーリーでは、妻が正気を失ったと当人および知人らに信じ込ませようと、夫が周囲の品々に小細工を施し、妻がそれらの変化を指摘すると、夫は彼女の勘違いか記憶違いだと主張してみせる。劇の題名は、夫が屋根裏で探し物をする時に使う、家の薄暗いガス燈に由来する。妻は明かりが薄暗いことにすぐ気付くのだが、夫は彼女の思い違いだと言い張るのだった。

MeToo

Denoting a cultural movement that seeks to expose and eradicate predatory sexual behaviour, especially in the workplace.

これは日本でも大きな話題となりましたね。セクシャルハラスメントや性的暴行の被害体験をSNSで告白・共有する際のハッシュタグとして使用されました。

Plogging

A recreational activity, originating in Sweden, that combines jogging with picking up litter.

スウェーデンで始まったレクリエーション活動で、ゴミを拾いながらジョギングをすることだそうです。あくまでもフィットネスが目的で、ゴミを拾う動作やゴミの重みが良い負荷になるとのこと。

VAR

Abbreviation for video assistant referee

サッカーで導入された、ビデオ判定システム。ビデオ・アシスタント・レフリー。2018年のロシアW杯に導入され、話題となりました。

Vegan

A person who refrains from using any animal product whatever for food, clothing, or any other purpose. A recent report by Waitrose found that one in eight Brits now follow either a vegan or vegetarian diet.

完全菜食主義者で、衣服なども動物製品を使用しないというヴィーガン。乳製品や卵、魚などは食べるベジタリアンよりも徹底しています。イギリス人の1/8が、ベジタリアンかヴィーガンなのだとか。日本にはまだベジタリアン/ヴィーガンの方のためのレストランが少ないので、海外の方を案内するときに困るという話をよく聞きます。

Whitewash

To cast a white actor in the role of a character from a minority ethnic group or to produce a film or play using white actors to play characters from a minority ethnic group.

少数派民族の役を白人の俳優が演じること。われわれ日本人を含むアジア人も少数派側です。『攻殻機動隊』のハリウッド実写版『ゴースト・イン・ザ・シェル』で、主人公をスカーレット・ヨハンソンが演じ、批判が集まりました。逆に今年2018年には、出演者も原作・脚本も監督も全てアジア人という『クレージー・リッチ!』という映画がアメリカで大ヒットしました。

2017年のWord of the year

昨年のWord of the yearは”Fake news”。アメリカのドナルド・トランプ大統領が頻繁に使っていましたね。

Collins辞書の定義では、

false, often sensational information disseminated under the guise of news reporting.

となっています。ニュース報道を装って広められる、センセーショナルな情報や虚偽の情報のことです。

 

時代の流れを表すWord of the year。他にも、Oxford、Cambridge、Merriam-Websterなどが 毎年発表しています。言葉から今の時代を知るのもまた楽しいですね。

 

その他のWord of the 2018に関する投稿はこちらをご覧ください。

www.inspire-english.net

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Today's proverb

A word is enough to the wise.:一を聞いて十を知る