Cambridge Dictionaryが選ぶThe People’s Word of 2018は『nomophobia』。あなたの恐怖症は英語で何という?

こんにちは。

CollinsやOxford のWord of the Year 2018を紹介してきましたが、イギリスのもう1つの名門Cambridgeも、今年の言葉を発表しています。CambridgeのThe People’s Word of 2018は、nomophobia-phobiaは恐怖症を表す接尾語です。近年生まれたこの新しい恐怖症ともに、世の中にある色んな恐怖症を調べてみました。

ウーロンゴンの灯台

The People’s Wordとは

The People’s Wordは、辞書などを出版しているCambridgeが、その年を象徴する言葉を選ぶものです。

dictionaryblog.cambridge.org

Cambridgeオンライン辞典の編集者が、最もその年を象徴するような単語4つを選び、ニューヨークやロンドンから東京まで、世界中のCambridgeオンライン辞典ファンから投票を募って、一位が決まります。

今年1位に選ばれたのはnomophobiaCollinsはsingle-use、Oxfordはtoxicと、それぞれ方向性が違うのが面白いですよね。

The People’s Word of 2018:Nomophobia

fear or worry at the idea of being without your mobile phone or unable to use it

Cambridge

携帯電話を身に付けていないこと、使えないことへの恐怖。

日本語にすると、携帯電話不携帯恐怖症です。携帯電話依存症とも言いますね。

このnomophobiaに関する調査や言葉の由来などを、Wikipediaを使って詳しく調べてみました。

Nomophobiaという言葉は、DSM-5(アメリカの精神医学会が作っている精神障害の診断と統計マニュアル)においては特に記載がないとのこと。DSM-4には特定の恐怖症とされていると上記には書いてあるんですが、わたしが大学生の頃に使っていたDSM-4TRの特定恐怖症の欄では触れられていませんでした。何にせよ、正式な精神障害/精神疾患としては認められていないようですね。

BianchiとPhilipsの2005年の発表よると、携帯電話の過剰な使用により引き起こされるとのこと。また自尊心の低さと、外交的な性格が関わっているようです。また既存の社会恐怖症、社会不安障害、パニック障害などの精神疾患によって引き起こされる可能性が高いです。 

このnomophobiaはno-mobile-phone phobiaの短縮形です。2008年にイギリスの郵便局がYouGovという調査機関の協力の元行った、携帯電話使用者の不安感に関する調査で、このnomophobiaという言葉が生み出されました。

この研究において、携帯電話ユーザーのうち53%の人たちが、携帯電話を無くしたり、バッテリーが切れたり、ネットワークに繋がらなかったりといった状況に不安を感じる傾向があったとのこと。男性では58%、女性は47%と、男性の方がnomophobiaの割合が高いんですね。主に友人や家族と連絡が途絶えてしまうことが不安の原因のようです。

このnomophobiaのストレスレベルは、マリッジブルーや歯医者に行く際と同等とのこと。なかなかのストレスですね。 

別の研究では、547名の男子大学生のうち、23%がnomophobiaに分類され、64%はnomophobiaの予備軍でした。およそ77%の学生が、一日に35回以上携帯電話をチェックしていたとのこと。寝ている時間を抜けば、およそ30分に1回の計算ですね。 

Nomophobiaの人たちの半数以上が一度も携帯電話の電源を切ったことがありません。社説によると、携帯電話の使用を最低限にしたり、持たずにいたりすることは、軽い嘲笑やあからさまな不信、からかいの対象になるようです。 

古典言語学者は、このnomophobiaという言葉を認めていないようです。というのも、法律やルール、規制に対する恐怖として、ごく一部ではあるけれどもnomophobiaという言葉が使われていたので、混乱を招いてしまうから。これはlaw、ruleまたはregulationを意味するnomosというギリシャ語に由来しています。このnomosという言葉は、astronomy(天文学)、gastronomy(美食学)、autonomy(自治)、economy(経済)、antinomy(二律背反)、metronome(メトロノーム)、nomocracy(法治政治)、nomography(計算図表学)、nomology(法律学)、nomothete(立法者)、anomy(道徳規範の欠如)など、様々な単語の語源となっています。

とはいえ、若者たちにはnomophobiaが携帯電話不携帯恐怖症を意味する新語として受け入れられています

但し、ギリシャ語はギリシャ語に、ラテン語はラテン語にくっつけるという、Oxfordによる英単語構造の指針があるようで、no-mobile-phoneが、ギリシャ語由来のphobiaとくっつけられるということはルール違反のようです。英語って奥が深いですね。

携帯電話不携帯恐怖症としてのnomophobiaという言葉が生まれてから10年。スマートフォンの普及により、生活がますます便利になるとともに、この恐怖症になる人が増えていきそうですね。

恐怖症あれこれリスト

世界の人口は70億人以上と言われる現代。人の数だけ様々な恐怖症があります。代表的なものや面白いものをまとめてみました。

一部は正式な精神疾患として認められているものですが、造語のようなものも含まれています。日本でも苦手なもののことを話す時に、○○恐怖症とか、○○アレルギーと言ったりしますよね。そういった口語表現だと思われます。

テクノロジーにまつわる恐怖症

nomophobiaに関連して、時代とともに生まれてきた恐怖症です。

機械恐怖症

Mechanophobia

機械に対する恐怖。 

コンピュータ恐怖症

Cyberphobia

コンピュータや新技術習得に対する恐怖。 

科学技術恐怖症

Technophobia

科学技術に対する恐怖。 

電話恐怖症

Telephonophobia

電話に対する恐怖。 

場所にまつわる恐怖症

日頃よく話題にのぼる○○恐怖症は、この場所にまつわる恐怖症が多いのでは?わたしは高所恐怖症です。 

高所恐怖症

Acrophobia

高さに対する恐怖。

閉所恐怖症

Claustrophobia

閉ざされた空間に対する恐怖。 

広空間恐怖症

Kenophobia

広い空間に対する恐怖。 

広場恐怖症

Agoraphobia

広場に対する恐怖。 

動物にまつわる恐怖症

可愛い動物たちも、人によっては恐怖の対象になるんですね。 

猫恐怖症

Ailurophobia

猫に対する恐怖。 

犬恐怖症

Cynophobia

犬に対する恐怖。 

乗り物にまつわる恐怖症

移動に欠かせない乗り物も恐怖症の対象になります。わたしも飛行機は不安で、離着陸時はいつも先祖代々に祈っています。 

乗り物恐怖症

Amaxophobia

乗り物に対する恐怖。

飛行機恐怖症 / 飛行恐怖症

Aviophobia / Aerophobia

航空機事故などに起因する飛行機への恐怖。/空を飛ぶことへの恐怖。 

人間に対する恐怖症

対人間の恐怖症もありますね。中には特定の国の方に対する恐怖症もあったのですが、それは割愛しています。 

対人間恐怖症

Anthropophobia

人と接することへの恐怖。 

男性恐怖症

Androphobia

男性に対する恐怖。 

女性恐怖症

Gynophobia

女性に対する恐怖。 

外国人恐怖症

Xenophobia

外国人に対する恐怖。知らない人に対する恐怖にも使われます。 

その他一般的な恐怖症

他にも生活に関わる恐怖症がたくさんありますね。わたし、注射をしなきゃいけない日は、不安すぎて熱が出ることもあります…。 

階段恐怖症

Bathmophobia

階段や急斜面、上り下りへの恐怖。 

醜形恐怖症

Dysmorphophobia

自己の見た目に対する恐怖。 

不潔恐怖症

Mysophobia

不潔なものへの恐怖。潔癖症とも。 

群衆恐怖症

Ochlophobia

群衆に対する恐怖。 

先端恐怖症/注射恐怖症

Trypanophobia

尖ったものに対する恐怖。/注射に対する恐怖。

集合体恐怖症

Trypophobia

小さな穴の集まりなどに対する恐怖。 

ホラーに出てきそうな恐怖症

これは分かります!どれも怖い。  

自動人形恐怖症

Automatonophobia

腹話術の人形などに対する恐怖。 

道化恐怖症

Coulrophobia

ピエロに対する恐怖。 

霊魂恐怖症

Pneumatiphobia

霊魂に対する恐怖。 

悪魔恐怖症

Demonophobia

悪魔に対する恐怖。 

学びにまつわる恐怖症

もしこれなら、英語どころか学習全般が辛いですね。それにしても、長い単語恐怖症を意味する英単語が恐怖を煽るような単語になっているのは、悪ふざけですかね…? 

知識恐怖症

Epistemophobia

知識を得ることへの恐怖。 

書籍恐怖症

Bibliophobia

書籍に対する恐怖。 

長い単語恐怖症

Hippopotomonstrosesquipedaliophobia / Sesquipedalophobia

長い単語に対する恐怖。 

数字恐怖症

Numerophobia

数字に対する恐怖。 

ポエム恐怖症

PoemPhobia

詩を詠んだり書いたりするものに対する恐怖。 

恋愛・結婚にまつわる恐怖症

婚活で話題になりそうな恐怖症をいくつかピックアップしてみました。 

美人恐怖症

Caligynephobia

美人に対する恐怖。 

幸福恐怖症

Cherophobia

幸せになることへの恐怖。 

結婚恐怖症

Gamophobia

同棲や結婚に対する恐怖。 

数字にまつわる恐怖症

特定の数字に対する恐怖症もあるんですね。 

4恐怖症

Tetraphobia

4の数字に対する恐怖。 

13恐怖症

Triskaidekaphobia

13の数字に対する恐怖。 

666恐怖症

Hexakosioihexekontahexaphobia

獣の数字である666に対する恐怖。  

他のThe People’s Word of 2018ショートリスト

The People’s Word of 2018のショートリスト残りの3つをご紹介します。

ender gap

a difference between the way men and women are treated in society, or between what men and women do and achieve 

男女の性差による社会的役割の違いですね。男女平等を考える上で、議論される問題です。

ecocide

destruction of the natural environment of an area, or very great damage to it

環境破壊、生態系破壊です。やはり2018年は環境問題への大きな注目が集まった年ですね。

no-platforming

the practice of refusing someone an opportunity to make their ideas or beliefs known publicly, because you think these beliefs are dangerous or unacceptable

誰かの意見や信念を危険、または受け入れがたいとして、公にならないように退けることです。

 

言葉を知ることで、その背景や関連知識まで広がるので、この今年の言葉の調査は本当に楽しいです。来年はどんな言葉が注目される年になるのか、今から楽しみです。

 

その他のWord of the year 2018はこちらの記事で詳しく紹介しています。 

www.inspire-english.net

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Today's proverb

So many men, so many minds.:十人十色