こんにちは。
先日から続けている英検1級対策記事ですが、お陰様でたくさんのアクセスをいただいております。ありがとうございます!
今日は一次試験の最後のパート、リスニング問題対策編です。
以下の記事でも報告させていただいた通り、私、2019年度第2回の日本英語検定協会の英検1級に無事一発合格を果たしました!
特に一次試験はリーディング満点、リスニング2問ミスという高得点で突破することができました。
そこで今日は、リスニングで高得点を取るための対策法をご紹介します。
リスニングパートの試験内容
英検1級のリスニングは、リーディング+ライティングの100分間を終えた後に始まります。リスニングパートの時間はおよそ35分です。TOEICはリスニングが先なので、集中力のある状態で受けられますが、英検はリーディングとライティングでクタクタになった後に聞くことになります。
つまり、いかに集中力を保つかがポイントです。
出題内容
英検1級のリスニングに出てくる話題やシチュエーションは、日常的なものからアカデミックなものまで非常に幅広いです。
英検1級に求められる基準は、
広く社会生活で求められる英語を十分理解し、また使用することができる。
とされ、リスニングも、社会性の高い幅広い内容を理解することが求められます。
場面・状況
家庭、学校、職場、地域(各種店舗・公共施設を含む)、電話、アナウンス、講義など
家族など親しい間柄から、ビジネス、公共の場など、さまざまな場面設定の会話やアナウンスがあります。
話題
社会生活一般、芸術、文化、歴史、教育、科学、自然・環境、医療、テクノロジー、ビジネス、政治など
特にパート2の説明文は、アカデミックな内容になっており、文系・理系共にカバーする必要があります。
試験構成
英検1級のリスニングには、以下の4パートがあり、全部で27問になります。
リーディングの41問に比べるとかなり少ないので、CSEスコアでの1問ごとの格差が大きいです。高得点を目指すには1問1問が大切ですね。
会話の内容一致選択(10問)
会話の内容に関する質問に答える。
9問が男女2人、最後の1問が男女3人による会話となっています。職場、学校、家庭などさまざまなシチュエーションでの会話なので、1問ごとに頭を切り替える必要があります。
また、解答時間は10秒なので、選択肢を急いで読まねばなりません。
ただし、細かなポイントを質問されることはほとんどありません。8-9割理解していれば答えられるものばかりです。
分からない部分に囚われず、聞き取れるところから会話のポイントを掴むことが大切です。
文の内容一致選択(10問)
パッセージ(説明文など)の内容に関する質問に答える。
苦手とする方が多いであろうパート2。200単語くらいの文章が、1分半程度で読まれます。
主なテーマは、医療・健康、科学、社会、テクノロジー、歴史など。苦手な分野の話題は、1分半聞き取り続けるのが大変だと思います。
1つのパッセージに対して質問は2つずつ、それぞれを解答時間は10秒です。
メモを取ることが許されていますが、実際はなかなかそんな余裕はなく、肝心なポイントを聞き逃す可能性があります。
聞くことに集中し、内容を覚える方がいいと思います。
Real-Life形式の内容一致選択(5問)
Real-Life 形式の放送内容に関する質問に答える。
このパートの特徴は、シチュエーションと質問があらかじめ問題用紙に書いてあり、最初に10秒ずつ、それらを読む時間を与えられていることです。また、解答時間も他のパートと同じく10秒ずつあります。
アナウンスは、カウンターでの説明、留守番電話、ラジオ、館内放送など、日常生活や外出などで遭遇するシチュエーションとなっています。
何を聞き取らなければいけないのかが分かった状態で聞くことができるのです油断しがちですが、必要な情報を絶対に聞き逃さないよう注意が必要です。
インタビューの内容一致選択(2問)
インタビューの内容に関する質問に答える。
最後のインタビューは、放送が一番長く、スピードも一番速いことが多いです。3分半のインタビュー内容から質問に答えます。
主にビジネスや学術研究などのインタビューとなっています。
インタビューは1つで質問は2つ。それぞれに解答時間が10秒ありますが、最後の1問は10秒経った時点で鉛筆を置かねばなりません。選択肢も割と長いので、問題を先読みしておかないと答えられずに終わってしまいます。
また、リアルな英語に近付けるため、このパートは、言い淀みや言い直しが度々あり、口語の使用も多いです。演技とは言え、慣れないと聞き取りづらいです。
わたしの時は、逆にものすごくのんびり喋る人のインタビューで、かえって要点が掴みにくかったです。
英検1級リスニングのレベル
では英検1級のリスニングレベルはどのくらいでしょうか。
そもそも英検1級は、CEFR (Common European Framework of Reference for Languages/ヨーロッパ言語共通参照枠)でC1レベルとされています。ブリティッシュカウンシルによると、C1は以下のようなレベルです。
C1:熟達した言語使用者
いろいろな種類の高度な内容のかなり長い文章を理解して、含意を把握できる。言葉を探しているという印象を与えずに、流暢に、また自然に自己表現ができる。社会生活を営むため、また学問上や職業上の目的で、言葉を柔軟かつ効果的に用いることができる。複雑な話題について明確で、しっかりとした構成の詳細な文章を作ることができる。
理解できる話題の難易度、長さ共に高度なレベルを期待されているということですね。
確かにパート2は専門的な話題も多く、ハードです。しかし全体として、準1級からかけ離れたレベルという訳ではありません。順調に英語力を付けていれば、リスニングを恐れる必要はないと思います。
一次試験突破を目指す上で基準となるCSEスコアは2028 / 3 = 676。素点では19/27(70%)付近となります。
とはいえ、リスニングは問題の数が少ないので1問1問が勝負、出来るだけ失点を防ぐ必要があります。高得点を目指すのであれば尚更です。
また、10,000語レベルくらいまでの単語はカバーしておかないと聞き逃すポイントが出てくるので語彙力増強は欠かせませんし、テキストにはあまり出てこない口語表現も使われます。
つまり、油断していると失敗する可能性が十分にある危険なパートなんです。
わたしは本番で調子が良く、25/27(93%)で、CSE763でした。
*CSEスコアは、受験回の難易度などによって変動します。
内訳は以下の通りです。
- 会話の内容一致選択:9/10
- 文の内容一致選択 : 10/10
- Real-Life形式の内容一致選択 : 4/5
- インタビューの内容一致選択 : 2/2
音声が長いため苦手だったPart2とPart4は、対策の結果、満点を取ることができました!その代わり、若干気が抜けていたPart1,3で1問ずつ落としてしまいました。
リスニングの35分間は、1秒たりとも気を抜いてはいけません…。
成績表を見てみると、合格者の平均正答数は78%くらいとなっているようです。リーディングよりもリスニングでスコアを稼ぐ方が多いようですね。
リスニング対策に使った教材
それでは、わたしが実際にリスニング対策に使用した教材をご紹介したいと思います。インターネットやアプリなどのお陰で、リスニング対策がしやすくなっています。上手に使って苦手をつぶし、高得点を目指しましょう!
英検1級 文で覚える単熟語
語彙対策として使う方も多い『文で覚える単熟語』、通称文単ですが、掲載されている英文には、リスニングの過去問も含まれています。その他の英文もリスニング対策、特にpart2対策に最適な長さ・レベルの英文ばかりです。
テーマも医療・健康、科学、社会、テクノロジー、歴史など、英検で狙われる分野のものですので、リスニング対策にぴったりなんです!
この本は5周CDに合わせて音読し、隙間の時間にランダム再生して聴いていました。
英検1級集中ゼミ
30日で英検1級対策ができるというテキストです。これだけで十分な対策ができる訳ではありませんが、英検形式の問題に慣れ、問題を解くコツを掴むには最適な1冊だと思います。
この本は2周しました。答え合わせの時は、スクリプトを見ながら音声を聴き直しました。
過去問
英検のサイトには、過去3回分の過去問が無料公開されています。しかも、本番と全く同じ音声も入手できるのです!
解答には英文のスクリプト付き。間違えたところでも、スクリプトを読めば理解できると思いますし、リスニングに関しては、これがあれば過去問の問題集は要らないと思います。
わたしは1年前からダウンロードしていたので、毎週末1回分ずつ、全部で6回分を解きました。
また、こちらも答え合わせの際に、スクリプトを読みながら聴き直ししました。
英検1級の受験を志した瞬間から過去問はダウンロード&保存しておいていただきたいのですが、知らなかった方、数ヶ月で英検1級を目指す方は、過去6回分の問題集を買うのもありだと思います。スピーキングの過去問も手に入りますし、買って損はないと思います。
Podcast
英語学習者の方にはもはや説明不要のアプリ、Podcast。Appleが提供している音声配信アプリで、世界のニュースやラジオ番組などを聞くことができます。Androidにもpodcastを聞くアプリがありますので、気になる番組を聞いてみてください。
生の英語に触れることで、英語教材より上のリスニング力がつく他、世界の出来事やトレンドなどを学ぶことができます。
わたしは主に以下の番組を、外出時などに聴いていました。ディクテーションやシャドーイング、スクリプトと照らし合わせるなどの精聴をしたことはありません。
基本はざっくり概要を掴む程度の集中力で聞いていました。
NHKワールド
日本の国営放送NHKが、外国人向けに英語でニュースを伝えているNHKワールド。日本の番組なので、背景知識のあるニュースが多く、海外のニュースに比べて取っ付きやすいと思います。
BBC
イギリス英語の聞き取りを強化したいなら、BBCがおすすめです。BBC英語とも呼ばれるイギリスの標準英語がたっぷり聞けます。
ニュース以外にも、BBCが提供する学習者向けの番組がたくさんあるので、お気に入りのものを探してみてください。
CNN
こちらはアメリカのニュース。感情を抑えたBBCに比べて、キャスターの勢いが伝わってくる英語です。
同じくアメリカのABCも良いと思います。
TED talks
英語学習者にはあまりに有名なTED talks。基本はプレゼンテーションなので、映像と共に聞いた方が内容を楽しめますが、リスニング対策としては、耳に集中して聞けるPodcastがおすすめです。プレゼンの内容は、ライティングやスピーキングで自分の意見を述べる際のアイディアにも繋がります。
その他
『All Ears English』や『Speak Up Radio』など、英語学習者向けのPodcastも色々聞いていました。特に2人でやっている番組は、リアルな会話の勉強になるのでおすすめです。
海外ドラマ
会話に出てくるこなれた表現を楽しく学ぶには、海外ドラマが1番です!
動画配信サービスのお陰で、海外ドラマを気軽にたくさん楽しめるようになりましたよね。特に、NetflixやHuluなどは英語字幕を選べるのが嬉しいところ。
わたしは英語音声+英語字幕でたくさんのドラマを楽しんできました。Amazonプライムで数話見て、気に入ったものはDVDを買って見ています。
海外版なら安いですし、日本語字幕がないので、強制的に英語で頑張るしかありません。
様々なドラマを見てきましたが、中でも英語学習の定番『フレンズ』を全話見たことが、リスニング力アップに一番大きく貢献してくれたと思います。カジュアルでナチュラルな会話の宝庫ですしね。
その他、イギリスやオーストラリアのドラマもご紹介しています。
試験直前になると、海外ドラマを楽しむ余裕もなくなると思うので、日頃から好きなものを見つけて鑑賞することをお勧めします。
海外ドキュメンタリーを見る
NHKの海外ドキュメンタリーは、副音声に変えると英語で鑑賞することができます。またBS放送には、外国人の方向けの番組もたくさんあります。ドキュメンタリーは、アカデミックさとエンターテインメントのバランスが良いので、楽しく見られると思います。
また、ドキュメンタリーからはライティングやスピーキングで使えるネタも仕入れることができます。
わたしは『地球ドラマチック』と、『ドキュランドへようこそ』を録画し、お風呂で鑑賞していました。
英検1級のリスニングで高得点を取るための対策法
それでは、上記で紹介した教材を使いながら、英検1級のリスニングで高得点を狙う為の学習方法をご紹介したいと思います。
教材の英語とリアルな英語の両方に慣れる
英検1級のリスニングは、教材のナレーションのような聞き取りやすい英語と、インタビュー形式の聞き取りづらい英語が混ざっています。高得点を狙うのであれば、どちらの聞き取りにも慣れておく必要があります。
もちろん、ネイティブ向けの音声素材が完璧に聞き取れれば、綺麗なナレーションは余裕だと思いますが、Part2対策にちょうど良い素材ってなかなかないんですよね…。
学習教材の付属音声をスクリプトを確認しながら何度も聞き、細かく聞き取る力を養うと同時に、ネイティブ同士の会話を聞く機会を作り、大事なポイントを掴めるようにしなくてはなりません。
ただし、こなれた口語的表現は、正解にたどり着くのに重要な部分ではあまり使われません。出てきたフレーズを覚えつつ、"正確に分からなくても雰囲気だけ読み取る"ための練習で大丈夫です。
学習者向けの音声素材は机に向かって勉強できる時に、ネイティブのリアルなやりとりは隙間時間になど、何をいつどんな場所で聞くのか計画を立て、時間があればいつでも取り組めるようにしてみてください。
リーディング素材であっても、音声が付いていることが多いと思いますので、文字だけでなく音声も確認するようにしましょう。
ペース配分を知る
リスニングパートは音声が流れるから、ペース配分も何もないと思っていませんか?「どうしても実力のみで勝負したい」というのでない限り、問題の先読みはリスニングパートでとても重要です。
というのも先に述べた通り、英検1級ともなると、選択肢の英文もそれなりに長いです。良いペースで読まないと時間切れになりますし、迷っている暇はありません。もたもたしていると、次の問題の音声が流れ始め、大事なところを聞き逃すことにもなりかねません。
ですから、どのくらいのペースで解かなくてはならないのか、問題を先読みできるタイミングはどこかを、過去問や予想問題で何度も練習してください。過去問はできるだけ一次試験の3パート全てを時間通りに通して解くようにしましょう。
わたしは練習問題を解く時は先読みせずに負荷を上げ、過去問を解く時は先読みしてペースを掴んでいました。
速読力を養う
選択肢や問題を速く読めれば、その分だけじっくり答えを選べますし、先読みやマークミスチェックの時間に充てられます。
特にリスニングは最後に見直すことができないので、結果が出るまでマークミスがないかヒヤヒヤすることになります。
TOEICと比べると英検のリーディングは比較的じっくり読む時間があるので、精読に力を入れがちかもしれません。しかし、リスニングを考慮すると素早く読む練習もやっておいた方が得策です。
中には、リーディング&ライティングの余った時間で、リスニングの先読みをするという方たちもいるみたいです。
わたしは『速読速聴・英単語』シリーズを愛用してきたのですが、どれも1回目は音声を聞きながら読み、内容を理解するようにしていました。
付属音声のスピードでは負荷が掛からないという方は、再生スピードを変えられるアプリなどを使って速めると、いいペースメーカーになってくれます。
体力&精神力を養う
TOEICではリスニングが最初にありますが、英検はリーディングとライティングの後です。100分間集中してくたくたになった後、数分の合間を挟んでリスニングの放送が始まります。この合間の時間に、うっかり気が抜けてしまいそうになるので注意が必要です。
また、リスニングの場合は、得意・不得意に合わせてペースを調整することができません。問答無用で先に進んでしまいます。分からなかった問題を引きずっていると、次の問題で上の空になってしまい、肝心のポイントを聞き逃してしまいます。過去問を解いてみると分かると思うのですが、英検1級に合格できる力があるのであれば、ほぼ全ての問題は2度聞けば解けると思います。つまり、一発勝負のテストでいかに聞き漏らさないようにするかが勝負なんです。
さらに、英検の場合、メモを取っても良いことになっていますが、通訳のトレーニングなどで素早くメモするトレーニングをしていない限り、実際にはメモする余裕はほとんどないと思います。それよりは、ポイントとなる部分を覚えていられるよう、情報の保持力を磨いてください。そして、とにかく空いているときは常に英語を聞くようにし、英語の情報を吸収し続ける体力と精神力を養いましょう
わたしは教材の音声を聞いた後に、要点を頭の中でまとめる(日本語でも可)ように意識していました。
10,000語までの単語を完璧にする
英検準1級と1級の差で1番大きいのは、必要とされる語彙数です。準1級でおよそ8,000語、1級で1,2000語と言われています。その差4,000語のうち、半分くらいは語彙問題以外にも普通に登場しますので、そこで詰まると正確な聞き取りができなくなってしまいます。
高得点を目指すのであれば、10,000語レベルくらいまでの単語は、考えなくてもすぐ意味が理解できるようにしておくことをオススメします。
単語の覚え方は以下の記事を参考にしてみてください。
まとめ
英検1級のリスニングパートは、多くの方にとって重要な得点源になります。教材と生の英語をバランス良く、とにかくたくさん聞くことが、リスニングを高得点で突破するための重要なポイントです。
日常生活で耳が空いている時間って結構あるのではないでしょうか。隙あらばPodcastを聞くなど、細切れの時間をかき集めれば、合格するのに十分な学習量を確保することも可能だと思います。
また、高得点を目指すのであれば、細かなところまで聞き取る集中力と、細かい聞き漏らしは気にしない精神力のどちらも必要です。リスニング対策をする際は、目的を明確にし、どちらも鍛えるようにしてください。
リーディングで満点を取るまでの学習法はこちらを参考にどうぞ。
その他のパート別対策は、こちらを参考にどうぞ。
英検1級取得&高得点突破を目指して学習中の皆さん、頑張ってください!
Today's proverb
Little and often fills the purse. : 塵も積もれば山となる